【コラム】仁義なき牛丼戦争勃発寸前!すき家に勝算はあるのか 吉野家が値下げに踏み切るのは、もはや時間の問題か 金森努

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1朝から大変ツカちゃんですφ ★

すき家が牛丼の値段を350円から330円へと値下げした。ライバルの吉野家、松屋はともに
380円。50円の差は大きい。この不況期にありがたい話だが、一方で「大丈夫なんかいな?」
とも思ってしまうこの展開。すき家の値下げに対し、筆者は「吉野家、松屋は、対抗してくる」
と踏んでいる

客単価、売り上げとも低下している同社にとって危険な賭けに思えるが、値下げで価格に敏感
な消費者の来店を促すといい、不況期で財布のヒモが固くなった消費者を呼び込むことを優先
した意志決定をしたことになる。

牛丼チェーンはもともと低単価、薄利多売のビジネスモデルだ。「いやいや、吉野家は営業利益
率10%だと言うじゃないか」という論もあるだろう。『牛丼一杯の儲けは9円――「利益」と「仕入れ」
の仁義なき経済学』(幻冬舎)を一読してほしい。同書はバイヤーの立場で書かれた良書であり、
仕入れ値を下げることによって利益率を高めることの重要性を説いている。

同紙によると、吉野家と松屋は米国産の牛肉を主に使用しており、すき家がメーンとする豪州産
よりも単価が約1.5倍高いため、コスト的に値下げは難しい、という。自社も痛むが、対抗すれば、
競合はもっと痛む。

同じ低価格商品の競争であっても、うまく棲(す)み分けができている例もある。ファストフードでは
なく、アパレルの話。「ファストファッション」と呼ばれる低価格衣料の世界だ。2008年日本に上陸し
て話題になったH&M、そのほか、ユニクロ、トップショップ、フォエバー21。いずれのブランドもお互
い戦っているようで、テイストの違いで微妙な棲み分けがなされている。

しかし、牛丼は一度の食事で2杯を食べ歩くことはしない。各々のチェーンに固定的な熱心なファンも
いるが、商品としての差別化要因が少なく、価格差が明確なら一般の消費者は安い方に流れる。
牛丼市場において、消費者は価格に敏感なのだ。

ここでもし、利益率を保つため、吉野家と松屋が対抗しなかったらどうなるのか。顧客を奪われること
になる。つまり、規模が縮小する。 (>>2以降に続く)

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0904/24/news094.html  
2朝から大変ツカちゃんですφ ★:2009/04/24(金) 21:07:06 ID:???0
>>1の続き)
先にも述べたように、利益を生むためには、規模の経済を効かせ、固定比率を圧縮しつつ、
人件費は習熟度を高め効率化し、原材料費の仕入れも抑えるという変動費部分の圧縮も
欠かせない。逆に言えば、顧客が奪われる、シェアが低下するということは、こうした規模の
経済の効用が破たんすることを意味しているのである。

記事の中で吉野家を傘下に置く吉野家ホールディングス(HD)の安部修仁社長は「値下げ
よりも品質を優先したい」とコメントしている。だが、コストリーダーはシェアこそが命。シェア
死守のため、対抗値下げに踏み切るのは、時間の問題だろうと筆者は考える。

コストリーダーになれるのは業界で1社のみといわれる。すべてのプレイヤーがプールの底
で息を止めあい、一番最後までガマンして残る体力があるプレイヤーがコストリーダーだ。
リーダーになれない企業は差別化戦略をとるか、独自のニッチ市場で生存領域を確保する
しかない。

すき家の先制攻撃で、生き残りを賭けた息の止め合いが始まった牛丼業界。原材料の産地に
よるコスト構造の違いから、すき家は一気にシェア奪取し、コストリーダーの座を狙う戦略に出
たのだ。さあ、吉野家は、松屋は、どうする。牛丼を食べながら、戦いの行方を見守ろう。
(終わり)