今月に入り、北信地方で耕運機が絡む死傷事故が相次いで発生している。3日に上水内郡
小川村で1人が死亡7日にも長野市で1人が重傷を負い、飯山市で1人が重体となっている。
いずれも比較的軽量な手押し式を高齢者が1人で操作していた。農作業が本格化する季節を
迎え、長野中央署などは慎重な操作を呼び掛けている。
長野市七二会では7日午前、畑で耕運機を操作していた近くの農業女性(68)が、土を耕す回
転部(ロータリー)に右足を巻き込まれて重傷を負い、市内の病院に運ばれた。同署によると、
耕運機を後退させようとして巻き込まれたらしい。小川村では3日、農業男性(71)が畑で耕運
機に体を巻き込まれて死亡している。
飯山市蓮でも7日夕、農業男性(82)が自宅近くの畑沿いの私道で倒れているのが見つかり、
市内の病院に運ばれたが頭を打ち意識不明の重体。飯山署は、約1・5メートル上方の畑から
耕運機を下ろそうとして転落したとみている。
県農村振興課によると、耕運機に絡む事故は毎年起きている。2008年度は7人、07年度は6
人が死亡。このうち、手押し式を操作中だったのは08年度に1人、07年度に3人だった。
農業機械大手のヤンマー(大阪市)は、高齢者の事故が目立つ手押し式について、ロータリーの
位置を遠ざけたり、緊急用ブレーキを備えたりした製品を販売しているが、「急停止や急発進をせ
ず、周辺に障害物がないかを確かめ、ロータリーに足を近づけないようにしてほしい」と呼び掛け
ている。
長野市川中島町御厨では6日、農業男性(83)が手押し式耕運機を後退中に転倒、左足をタイヤ
で引いた。けがはなかったが、「足が耕運機の下に入った時はもう駄目だと思った。今後は細心の
注意で操作したい」と話している。
http://www.shinmai.co.jp/news/20090408/KT090407FTI090017000022.htm