福岡県立花町のタケノコ加工販売業「キタジマ食品」の北島隆彦社長(63)は23日、同県久留米市で会見し、
20年ほど前から中国産タケノコを国産と偽って販売していたことを明らかにした。
偽装により昨年だけで約1000万円の利益が出ていたという。
北島社長は「偽装は業界の慣例だった。商品の信頼回復になればと思い、公表に踏み切った」と話した。
北島社長によると、中国産の缶詰のタケノコの水煮を、同県八女市の自社工場で真空パックに丸ごと詰め替え。
殺菌処理後に、国内産や福岡県産と表記し出荷していた。
国内産のタケノコと混ぜて出荷した分も合わせ、昨年は年間総出荷量約500トンのうち、約150トンで
何らかの偽装をしていたという。
「取引業者が要求する卸価格には、国産では対応できなかったため」と理由を述べた。
「消費者の信頼を裏切って申し訳ない」と陳謝し、今年3月からは中国産のタケノコの仕入れをしていないという。
同県農林水産物安全課によると、2006年10月に日本農林規格(JAS)法に基づく加工食品の品質表示基準の
改正が完全実施され、タケノコ水煮の原料原産地表示が義務付けられた。
=2009/03/24付 西日本新聞朝刊=
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