「かんぽの宿」で暴かれる西川ー宮内ー竹中の闇
http://www.mail-journal.com/20090225.htm 鳩山邦夫総務相は「それみたことか」と鼻高々である。
「入札の経緯が不透明」として、「かんぽの宿」の一括譲渡にクレームをつけると、日本郵
政は守秘義務を理由に開示しなかった。だが、そこは100%株主の最高責任者が要求し
ているのだから出さざるを得ない。
その結果わかったのは、入札ではなかったこと。オリックスが落とすように仕組んだ、
入札を装った随意契約。日本郵政が入札の最終段階で、簿価60数億円の「世田谷レクセ
ンター」を譲渡対象から外し、譲渡額を引き上げるよう要求したことで、オリックスの対
抗馬は下りてしまった。
「金額の提示が2社そろわないと、入札とはいえない」
鳩山総務相の指摘は当たり前である。「出来レース」以外のなにものでもない。ただ、こ
れを経済事件にもっていくのは難しい。入札する側と応札する側が、価格だけでなく、雇
用の継続なども含めて話し合って決める、条件付入札。双方の弁護士が、精緻な契約書を
交わしていることは間違いなく、地検特捜部が最初から事件化ありきの「シナリオ捜査」
をするのでなければ、「契約のカベ」に阻まれることになろう。
それより、ここで指摘すべきは、規制緩和を推進、日本の金融を「外資の論理」に置き
かえようとした西川善文、宮内義彦、竹中平蔵の「三者の罪」である。
西川氏は、旧住友銀行時代から平和相銀、イトマンなどの「融資第三部(融三)案件」
を担当、不良債権処理のプロだった。三井住友銀行となってからも、「融三案件」の全貌を
知るのは、行内でも西川氏らごくわずかだったいう。体を張りつつ、秘密裏に、飛ばしを
交えて徐々に処理していた西川氏の前に登場したのが、小泉純一郎首相から金融政策を“丸
投げ”された竹中平蔵氏である。
西川氏は、必死のロビー活動で竹中氏を味方につけ、「外資と組んだハードランディング」
に合意、2002年12月、竹中金融・経済財政担当大臣の仲介で、ゴールドマン・サッ
クス(GS)のヘンリー・ポールソン会長と会談する。2人は合意、翌年1月、GSは
1500億円の三井住友銀行の優先株を引き受けることになった。