【コラム/毎日】医師の説明に質問しまくったら逆切れされた。医師と家族とを隔てる「壁」の高さを感じた。

「もう一度、一から説明しましょうか！」。毎日記者は突然、声を荒らげた。昨年末、兄が事件を起こした。
記者会見の場に私も同席し、質問しまくった。もちろん面白半分にではない。
記者心得の本（書店でも買える）を読み、記述の微妙な差によって読者の受け取り方も違うことを知っていたからだ。

だが、毎日記者は医師は「そんな細かいところまで聞いてきたのはあなたが初めてですよ」などと繰り返し、
明らかにいらだっていた。揚げ句に、私が「念のため確認しますが……」と見出しと本文の
ある細部についてたずねた途端、冒頭のようにキレてしまったのである。

私はひるまず質問し続けたが、
こうした場面に慣れていない人なら黙ってしまっただろう。
毎日記者と事件の取材を受ける人・家族を隔てる「壁」はまだまだ高いと痛感した。
申し添えておくと、毎日記者はその後も粘着的に変態記事を書き続けた。