鹿児島・種子島から打ち上げられる予定のH2Aロケット15号機には、温室効果ガスの
観測衛星「いぶき」のほか、「まいど1号」など民間企業や大学が開発した6基の
超小型衛星も載っている。一刻も早く衛星が宇宙から発する電波をとらえようと、
このうち3基について、宇宙工学にかかわる全国11の大学・高専が手を組んだ。
関係者は衛星の「産声」が届く日を待ちわびている。
宇宙に飛び出した小さな衛星たちは、1時間半ほどで地球を1周しながら、機体の
温度や発電量などの情報を乗せた電波を発信し続ける。衛星を開発した各グループは
電波を受信し、一方で地上から命令を送って衛星を操作する。
特に打ち上げ直後は衛星が正常に動いているか、できるだけ早く知りたいところ。
だが電波を受信できるのは、アンテナがある地上局の上空近くを衛星が通過するときだけだ。
やりとりできる時間も15分ほど。違法な電波がじゃまをすることもある。
そのため、今回は打ち上げから数日間、東京大のPRISM、香川大のSTARS、
産業技術高専のKKS―1の電波の受信に、11の大学・高専が協力することになった。
3衛星の開発にはかかわっていない学校もあるが、それぞれ独自に小型衛星を開発するなど
しており、将来の「本番」をみすえての参加だ。東大のPRISMの電波は九州大や
東京電機大が、香川大のSTARSは創価大や北海道工業大などが、産業高専の
KKS―1は九州工業大や大阪府立大などが受信を試みる。
今回のH2Aは南に向かって打ち上げられる。衛星は南極から南米沖を通過し、
北極をめぐってきた後は中国上空を通り過ぎていくため、衛星の最初の「産声」は
西日本で受信しやすいという。
*+*+ asahi.com 2009/01/23[06:04] +*+*
http://www.asahi.com/science/update/0122/SEB200901220020.html