【論説/毎日】食の安全…「輸入食品は危険だから国産を買う」といった短絡的な反応は、無知と怠惰の裏返し
記者の目:日本の食料自給率を上げる前に=行友弥
石破茂農相が先月、食料自給率(カロリーベース)を
50%に回復させるための工程表を発表した。食料の供給基盤を強化することに異存はない。
だが、数値目標を掲げる前に、まず日本の食の「ゆがみ」を明らかにし、
正すことが必要だと思う。それは行政や生産者だけでなく、消費者が
自分自身の問題として取り組むべきことだと考えている。
昨年、企画記事「食料小国ニッポン」を経済面で2部にわたって連載した。
自給率が06年度に39%まで落ち込んだ背景や回復の可能性などを探ったが、
その間に07年度の自給率が40%を回復したという発表があった。
小麦価格の高騰で相対的に安くなった国産米の消費が増えたことなどが原因だが、
その後、小麦相場は金融危機などを背景に反転し、昨年2月のピークから半値以下に下がった。
国民の関心も食の問題から、強まる不況風に移っている。
だが「のど元過ぎれば熱さを忘れる」でいいはずはない。
今世紀半ばに90億人を突破すると予想される世界人口の増加、
新興国の「爆食」、農地や水資源の限界……。
これらを考えれば、長期的には食料不足は避けがたい。
先進国がカネの力で食料を買い集めれば、しわ寄せは貧しい国に行く。
基礎的な食料を自給することは先進国の義務でもある。
「自給にこだわると食の選択肢が狭められ、豊かさが失われる」と主張する識者もいる。
本当にそうだろうか。私はむしろ、「食のグローバル化」が真の豊かさを失わせてきたと考えている。
続きます
過去数十年を振り返ってみよう。各地の伝統的な食材や料理が次々と忘れ去られ、
ファストフードやコンビニ弁当が広まった。地域の特色ある近海魚よりも、
いけすで育てた脂肪の多い蓄養マグロが喜ばれるようになった。個性の強い在来の野菜や果物はすたれ、
甘くて食べやすい改良種が取って代わった。微妙な味の違いがわからなくなり、
何にでもマヨネーズをかけるような子供が増えた。
食文化の破壊は輸入食品だけのせいではない。だが、地域に元々あった食べ物をないがしろにし、
食を画一化させてきたという本質は同じだ。
安く、手間がかからず、見た目が良く、誰にとってもそこそこおいしい−−
そんな規格化された食品が主流になった。
その多くが輸入品であったり、輸入食材で作られている。
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20090113k0000m070117000c.html
4 :
名無しさん@九周年:2009/01/13(火) 11:48:27 ID:CXu20pnYO
>>
その結果、生産と消費の場の距離が広がり、消費者が生産や流通の実態を知る機会は少なくなった。
消費者は結果を受け取るだけの存在になり、商品の一斉値上げに困惑し、
毒物混入、偽装表示など食品の安全性を巡る相次ぐ問題に至っては何を信じていいのか分からなくなる。
生産者、食品業界、消費者がともに「豊かさ」や「効率性」を追求したことが、
こうしたゆがみと自給率の低下をもたらした。世界最大の食料輸入国でありながら、
一方で年間1900万トンもの食品・食材が捨てられている矛盾も根っこは同じだ。
「食料小国ニッポン」では、そのゆがみに挑む人々を取り上げた。
食べられるのに捨てられてきた「規格外野菜」や「未利用魚」の商品化、
地域に埋もれた在来種の農産物を発掘、復権させる取り組みだ。
その着眼点や地道な努力に感銘を受けると同時に、消費者にもそれを知り、
食への意識を高めてほしいと感じた。自ら学び、選び、生産サイドにまで働きかける
主体的な消費者が増えれば、ゆがみは次第に正され、
農業や漁業の基盤も強化されていくだろう。
続く
また中国様への配慮ですか
7 :
名無しさん@九周年:2009/01/13(火) 11:49:13 ID:1Lk1u1rw0
まだ毎日新聞なんてあるの
8 :
名無しさん@九周年:2009/01/13(火) 11:49:24 ID:mR/15HPj0
マヨラーデモが起きるぞw
グローバリゼーションの総本山・米国で「地域社会が支える農業
(コミュニティー・サポーテッド・アグリカルチャー=CSA)」と呼ばれる
小農場が各地に広がっているという。地域内の消費者が会員として一定額を拠出し、
それに応じて収穫の分配を受けるのが基本スタイルだ。不作や病害虫のリスクは会員も分かち合う代わりに、
生産方法には偽りやごまかしが許されない。
日本でも生産者と消費者の提携による産地直送や、
消費者が農地のオーナーになって農家を支援するといった取り組みが広がりを見せている。
これらは「モノとカネ」のシステムの中に「人と人」の関係を構築し直す試みと言ってもいい。
関係を築くきっかけは、探せばあるはずだ。
「輸入食品は危険だから国産を買う」といった短絡的な反応は、無知と怠惰の裏返しに過ぎない。
まずは日ごろ何気なく食べている食品が、どこでどう作られているかを調べることからでいい。遠回りのようでも、
それが安全で真に豊かな食を確保するための第一歩になる。(東京経済部)
おわり
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20090113k0000m070117000c.html