−カドミウム米 食用流通疑惑−汚染検査に抜け道があった−
◆汚染された国産米
袋詰めの米は約550トン。「倉庫内の米はカドミウム米・食用不適米」と物騒な
文面の紙が張られた米袋がぎっしりの倉庫があった。
従来、接着剤などの工業用原料として出荷されていた倉庫の米は、三笠フーズ
(大阪市)などによる汚染米の横流し事件があって、昨年11月に焼却処分が決まった
のだという。
そう説明すれば、とばっちりとみる向きもあるかもしれない。あの横流しは、
大半は輸入米で、汚染は猛毒の黴や残留農薬だったはず。そのとき、国産は
「やはり安全」と思ったものだが、目の前にある国産米の汚染物質はなんと
カドミウムだという。カドミウムといえば、腎機能や骨などの障害を引き起こす猛毒、
イタイイタイ病の原因物質ではないか。
2006年には全国各地で約1200トンもの、カドミウム汚染米が確認されている。
◆国際規格より甘い日本
食品への有害物質混入事案が発覚した際、厚生労働省はいつもこんな発表を行う。
「許容摂取量を超えるレベルではなく、健康に及ぼす影響はありません----」と。
主食の米ならば、毎日食べているわけだから、さぞかし厳しい基準値と思いきや、
米のカドミウム基準値は海外に比べるとはるかに甘いという。
国際規格を作るコーデックス食品委員会では、米の上限許容濃度が0・4ppm。なのに、
日本の食品衛生法では1・0ppmまで認められているのだ。(
>>2以降に続く)
▽AERA-net.jp
http://www.aera-net.jp/summary/090109_000588.html