競争力という危険な幻想
つまり国と国も企業同士のように「食うか食われるか」の熾烈な競争を展開しており、
これに破れれば国が滅びるというのである。ここから「貿易戦争」「経済戦争」などとい
う言葉も生まれてきた。この戦争に勝つためには、「競争力」をつけなければならない
という主張である。
クルーグマンはこうした「競争力至上主義」の経済学を、正統な経済学では明確に
否定された「俗説」であるという。そして、こうした俗説があたかも正統な経済理論のよ
うに流布し、幅を利かせている現状を、世界にとってとても危険な状態だと警告している。
> 正統な経済学では明確に否定された「俗説」である w
先進国のほとんどで、交際競争力への懸念が高まっているが、それを裏付ける事実
があるわけではなく、逆に、的外れであることを示す大量の事実があるなかでも、
そう信じられているのである。しかし、そう信じたがっている人たちが多いのも、明らかだ。
競争力の教義を説く人たちが、主張を裏付けようと、ずさんで間違いだらけの数値をあ
げる傾向があることを見れば、この見方を信じたいという欲求がいかに強いかがわかる。
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