・麻生首相が就任してから1月半。この間、首相番記者が連日行った「ぶら下がりインタビュー」への
答え方は、べらんめえ調で率直に語る親しみやすさがある半面、厳しい質問に逆ギレしたり
“上から目線”で嫌みを返すなどすっかり麻生節の独演会に。
「営業妨害して平気ですか。いま聞いてんだよ。答えろ」。10月下旬、高級ホテルのバー通いが
頻繁なことを「庶民感覚と懸け離れているのでは」と聞いた記者に、首相は取材記者が大勢集まる
ことを指摘しつつ感情むき出しに逆質問で応戦。
9月末には、民主党に逆質問した異例の所信表明演説について聞かれ、「3回目くらいの小泉純一郎
首相の所信表明も同じようなもんじゃなかった? ここにいる人はその種のことを全然勉強した
ことがない」と記者にお説教。「経済、経営が分からない人の書いた記事は駄目」とばっさり
切り捨てることもあった。
株安についての質問には「マイナスの話ばっかりしたがるのはおたくの習性かもしれませんけど」。
衆院解散時期を聞いた記者にも「すべて解散前提で聞けと上司から言われているんだろう」と
嫌みたっぷりに絡んだ。
周辺は「感じが良くない」とイメージダウンを心配。自民党ベテラン議員も「記者とけんかしても
仕方がないと忠告しているんだが」とこぼす。
一方、首相の「何となく」という口癖も耳につく。漫画家弘兼憲史氏らとの対談でも繰り返し使い
弘兼氏から「いま“何となく”が相当出てますね」と突っ込まれたほどだ。
政府関係者は意図をあいまいにする「何となく」が、「本音トーク」を持ち味とする麻生氏らしくないとして
「あまり使わないように」と助言したというが、一向にやまない。また最近では踏襲を「ふしゅう」とする
など度重なる誤読を指摘され「単なる読み違い」とごまかす場面もあった。
「歴代首相の言語力を診断する」などの著書がある東照二立命館大大学院教授(社会言語学)は
「相手より自分が上という力関係に基づいたスタイルで、仲間意識をつくり出し共感を呼ぶという
側面が弱い。“何となく”を多用するのは言葉が貧困で豊かな表現ができないからだ」と手厳しく
指摘している。(一部略)
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081114009.html