【経済】ユーロ、対円で一時2年4ヵ月ぶり安値(143円台) 先行きに警戒感−ロンドン市場

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706名無しさん@九周年
問: ヨーロッパ通貨システムの中心的設計ミスはデフレ/インフレの同時進行であると
  言われましたが、なぜこうした設計ミスが明らかに存在するのにユーロ・システムが
  強硬に導入されたのかお話頂けますか?

答: その背景をなすのが「強制力理論」で、政治的にヨーロッパ合衆国をつくるのが無理
  なので、通貨同盟を通じてそれを達成するという考えです。まず、共通通貨を導入
  すれば、各国間の同化への強制力が非常に強くなり、結果として、政治的統一も
  最後には自ずから実現されるという理論です。

  我々は「ユーロ裁判」でこうした「強制力理論」が進行することはありえないことを指摘
  しました。どんな世界史、貨幣史においても、こうした通貨同盟が長期にわたり機能
  したことはありませんでした。ヨーロッパ通貨同盟の寿命はせいぜい5年から7年で、
  被害を受けた諸国、負け組が通貨同盟から離脱するでしょう。

  異質な国々から構成されているため、すぐに異なる利害が顕在化し、争い、紛争が
  生じるでしょう。これは達成しようとしている政治的目標とは逆の事態です。統一通貨は、
  それが導入される以前に莫大な構造、財政調整を行い、(経済)格差をなくし、政治的な
  協調関係がつくられなければ機能しませんが、そのような関係は過去にも現在にも
  全くなく、通貨同盟は構造調整、財政調整を行わずコンセプトされています。….

問: フランス、オランダでヨーロッパ憲法条約が拒否されたことは、ユーロ導入以来、生活水準
  が低下し、社会的不安定状態が増大していることと直接関係しているのではないのですか?

答: それが現実です。生産性の高度な諸国は負け組で、開発段階の低い諸国が見かけの
  繁栄をとげています。一般市民は-政治家達より賢明なので-こうしたことを良く知っており、
  中核をなす諸国が陥っている危機的状況が、明瞭に統一通貨のネガティブな影響による
  ものであることも知っています。

  高度成長諸国では積極的な景気政策、雇用政策を展開出来なくなっています。
  通貨交換率という「静かな」調整機構がなくなり、各国の利率も固定され、安定同盟により
  国家財政も動きの取れない状況になっています。