「被害者の写真」なぜ必要?
9月29日22時5分配信 産経新聞
千葉県東金市で5歳児の成田幸満(ゆきまろ)ちゃん
が遺棄された、痛ましい事件を取材しました。
子供を不安がらせないためか、近所のお母さんたちの
取材に対するガードは堅く、特に幸満ちゃんの写真の入手には苦労しました。
事件発生翌日の22日夜、東金市が運営する保育所の前で、
写真の提供を求める報道陣と「出せない」とする
市側が議論する場面もありました。写真は結局、23日に県警が公開しました。
「なぜ写真が必要なんですか」。十数年前の新人記者時代、
遭難事故の取材中に遺族にたずねられ、社会的な
意義がうまく説明できなかった苦い経験があります。
個人情報への意識が高まり、関係者が写真を
提供する抵抗感は当時より強くなっていると感じます。
ただ、過去に起きた数々のむごい事件を思いだすとき、
真っ先に私の頭に浮かぶのは被害者と犯人の顔です。
被害者の無念さに思いをはせ、社会悪への怒りを持ったり、
防犯意識を高める現実感をつかむためにも「顔を知る」ことは重要と考えています。
でも、こちら側の論理を押しつけないよう、遺族や被害者側
に対して細心の配慮が必要なのは言うまでもありません。
これが、新人時代の“宿題”に対する私なりの今の答えです。(雄)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080929-00000609-san-soci