長崎県平戸市消防本部が、管轄の出張所の一般加入電話に市内の男性(40)から頻繁にかかってくる
電話を「迷惑電話」とみなし、8月下旬から約1カ月間、着信拒否にしていたことがわかった。「回線がふさがり、
他の緊急通報を受けられないおそれがあった」と説明している。迷惑電話や不急の通報は、全国の消防署
共通の悩み。ただ、男性に事前に通告しておらず、仮に男性から正当な通報があっても受けられない可能性も
あった。
着信拒否設定は現在は解除されている。今月22日、男性から不急の電話はしないとの確約がとれたためだという。
消防本部によると、男性は1月ごろから中津良出張所の一般加入電話に、緊急通報とは関係のない電話をかけ
始めた。通話は8月に頻繁になり、一晩で十数回に及ぶ日もあったという。「火事です」と伝えた後に「どこも燃えて
いません」と言ったり、「あなたの給料はいくら」と尋ねたりするなど、悪ふざけめいた内容だったと説明する。
出張所にある一般加入電話は1回線のみ。近くの住民は119番でなく、身近な出張所の電話番号にダイヤルする
人が少なくないという。住民に迷惑がかかる可能性があるとして、消防本部は8月21日に着信拒否の設定をした。
出張所に電話したことについて男性は「交際についての悩みで親身に相談に乗ってくれたから」と説明。「無関係の
電話をした私も悪いが、着信拒否はありえない対応だ」
松尾茂広消防長は「もし緊急の通報であれば、119番や本部にかけてもらえば対応できた」と話す。ただ、男性には
事前に着信拒否の通告はしておらず、電話を控えるよう要請もしていなかった。
総務省消防庁総務課は「消防署の着信拒否は聞いたことがない。ただ、全国的に消防署への迷惑電話に悩まされており、
ケースによっては法的対応も検討せざるをえない状況。今回も、着信拒否するだけの理由があったのではないか」と話している。
ソース
asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0928/SEB200809270017.html