★インドネシア人看護師来日1カ月 受け入れ病院側に後悔の声も
・インドネシアとの経済連携協定により、日本で働く看護師や介護福祉士候補のインドネシア人
約200人が来日して1カ月あまりが経過した。慢性的な人手不足にある医療や介護の現場を
支える新たなパワーとして期待を集め、日本側の斡旋機関は「外国人労働者に門戸を開く
大きな一歩」という。しかし、受け入れた病院側は今になって「甘く見ていた…」と後悔している
ところもあるなど課題も浮き彫りになってきている。
「スーパーには何がありますか?」「卵とリンゴです」
大阪市住吉区の「関西研修センター」で、看護師候補のインドネシア人たちの日本語研修の
風景だ。教師の質問に、頭髪を黒いベール(ヘジャブ)で覆ったインドネシア人女性が答え、
続いて他の研修生が覚えたての日本語で復唱した。
センターの研修は合宿形式で半年間続き、月〜土毎日3時間以上、日本語や日本文化を学ぶ。
研修生たちは少しでも早く日本に慣れようと懸命だ。インドネシアで13年の看護師経験を持つ
ピピット・サビトリさん(35)は「予習復習もして授業時間外も勉強しているが、それでも
コミュニケーションをとるのは難しい」と言葉の壁に苦労する実情を話す。それでも「設備の整った
日本で働けるのは名誉なこと。技術を磨いて、将来は日本とインドネシアをつなぐ架け橋に
なりたい」と意欲は高い。
インドネシア人看護師の受け入れ施設は全国47カ所にのぼるが、研修終了予定の2月に向け
病院側の対応はさまざまだ。
受け入れ施設の佐藤病院(大阪府枚方市)では研修中の看護師候補2人と英語の手紙をやりとりし
医療用語などの日本語を教える“通信教育”を行っている。手厚いフォローアップを行う理由を、
同病院人事課の佐藤善彦さんは「滞在中3回しか受けられない国家試験に試験に受かって
もらうため」と言い切る。そのうえで、「外国にいる不安感を取り除き、長く働いてもらうための
モチベーション作りの目的もある」と一刻も早く病院の“戦力”になってもらうための手段で
あることを強調した。(
>>2-10につづく)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080917-00000908-san-soci