BSE(牛海綿状脳症)の病原体である異常プリオンが、外部から感染しなくても、
遺伝子の変異によって牛の体内で作られ、発症につながる例もあることが、
米農務省国立動物病センターなどの研究で分かった。
研究したユルゲン・リヒト現カンザス州立大教授は「BSEがないと
言われているどの国でも、この病気は発生しうる」と指摘、
専門誌プロス・パソジェンズに11日発表した。
遺伝性のBSEが見つかったのは、米アラバマ州で2006年に
発症した当時約10歳の雌牛。
牛肉の輸入再開をめぐる日米交渉が続く中、感染源が注目されたが、
同省などの疫学調査では手がかりがつかめなかった。同センターで
遺伝子を解析した結果、異常プリオンを作る変異が初めて見つかった。
人間にも同じタイプの変異が知られ、遺伝性の
クロイツフェルトヤコブ病(CJD)を引き起こすという。
BSEは1980年代に英国で急拡大した。その始まりについては、
遺伝性の異常プリオンが肉骨粉などの形で牛のえさになった――
という説があり、リヒト教授らは「今回の発見がその説を支える証拠になる」としている。
*+*+ YOMIURI ONLINE 2008/09/13[**:**] +*+*
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080912-OYT1T00760.htm