労役場留置、全国で急増 「元気な名古屋」は減
交通違反や窃盗などで命じられた罰金を支払わない代わりに、刑務所や拘置所で働く
「労役場留置」の件数が全国で激増する中、名古屋地検管内では減少していることが
分かった。罰金未納が増えた背景には「格差社会」の広がりで、刑を受けた人の職の確保が
より困難になっていることがあるとみられるが、そんな中でも「元気な名古屋」といわれる
景気状況が影響しているようだ。
法務省のまとめでは全国の労役場留置の件数は10年間で約3倍増。罰金額は10万円以上
50万円以下が大半を占めている。名古屋地検によると、岡崎や豊橋、一宮、半田の4支部を
除く管内で労役場留置となったのは、2006年度は145人、07年度は124人と減った。
今年4−6月は35人で年度でみると140人ペースだが「最近は緩やかに減少」しており、
昨年度並みに落ち着きそう。
労役場留置は、自ら「罰金を払えない」と申告する場合と、何度もの督促に応じず
「収容状」を発行されて身柄を拘束されるケースに分かれる。
同管内では、収容状による労役所留置は06年度が82人だったのに、07年度は
36人と大幅に減少。今年4−6月は11人で、昨年とほぼ同じ数で推移している。
一方、名古屋地区以外の場所で罰金刑が確定した後、納付しないまま名古屋地区に
移り住んで労役場留置となった人もいる。
06年度は16人、07年度は18人と増え、今年4−6月は7人。
このペースだと年間30人に迫る勢いだ。
名古屋に来た理由について「仕事を見つけられると思った」と話す人が目立っているといい
「元気な名古屋」にひかれて罰金刑を受けた人が、流入してきている状況があるようだ。
中日新聞(2008年9月8日 夕刊)
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008090802000270.html