【科学】「ビスフェノールA」脳の神経組織に悪影響…サルで証明

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【ワシントン=増満浩志】プラスチック製の食器などから溶け出す化学物質ビスフェノールA
(BPA)によって、脳の神経組織の形成が妨げられることが、サルを使った米エール大などの
実験で分かった。

 米科学アカデミー紀要電子版で発表した。

 ネズミでは知られていた現象だが、内分泌や脳の構造が異なる人間でも起きるのかどうか、
安全性をめぐる議論の焦点となっていた。

 異常が現れたのは、記憶や学習をつかさどる海馬などの、「スパイン」とよばれる構造。体内の
ホルモン「エストラジオール」の働きで形成が促進され、神経細胞同士の信号のやり取りに重要な
役割を果たす。ところが、アフリカミドリザルにBPAを4週間与え続けた結果、エストラジオールの
働きが妨げられ、領域によってはスパインの数が半分以下に減少した。

 霊長類への影響を初確認したことで、研究チームは「うつ病などの気分障害にもつながる可能性が
あり、医療機器や食器などへのBPA使用について懸念が増した」と指摘している。

 実験では、アフリカミドリザルの背中にポンプを埋め込み、1日に体重1キロ当たり50マイクロ・グラムの
BPAを体内へ送り込んだ。日本など世界各国で、同じ量のBPAが、毎日摂取しても問題がない基準値と
されている。

ソース 読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080906-OYT1T00503.htm