多重債務を抱えて自己破産した労働者110人の破産記録を分析したところ、
全体の3分の2がパートや派遣など非正規雇用の人だったことが、近畿弁護士会
連合会の調べでわかった。うち4割は生活保護基準に満たない低賃金だった。
不安定な雇用で働いているワーキングプア(働く貧困層)が、生活苦から借金に
頼らざるをえなくなっている実態が裏付けられた格好だ。
関西6府県の弁護士会がつくる同連合会は、13日に「非正規労働」をテーマに
開くシンポジウムで分析結果を発表する。シンポを企画した弁護士15人が
最近1年間に扱った自己破産のうち、無職や自営業者を除いた労働者の記録を
一人10件程度持ち寄った。
110人のうち正社員は35%で、残り65%はアルバイト、契約社員、派遣
など非正規雇用が占めた。男性は正社員と非正規雇用の割合がほぼ半々だったが、
女性は8割が非正規雇用だった。
賞与や手当などを含む平均月収は20万円以下が72%、10万円以下も34%。
非正規雇用に限ると10万円以下は54%を占めており、賃金の低さが際立った。
平均月収と生活保護基準との関連も調べた。全体の32%は生活保護基準以下の
月収しかなく、要保護状態にあった。ただし、生活保護を受給している人は
いなかった。
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>>2以降に続く)