あまりに唐突な政権の投げ出し劇である。福田康夫首相が1日夜、緊急記者会見し、
退陣を表明した。12日から始まる臨時国会を前に退陣することについて首相は「新し
い布陣のもとに政策の実現を図る」などと理由を述べたが、そのまま受け入れるわけに
は到底いかない。無責任政治はここに極まった。
(中略)
要するに、野党が参院で過半数を占める「ねじれ国会」を理由に、政権運営が思うよ
うにならないから、投げ出したということだろう。そして、福田内閣の支持率が低迷し
続け、自民、公明両党内にも「福田首相の下では衆院選は戦えない」との声が次第に強
まる中で、それに抗する気力も熱意もなかったというのが実相であろう。
福田内閣は参院選惨敗に伴う与野党「ねじれ国会」に直面した安倍前首相の退陣を受
け、昨年9月に発足した。最初の組閣では安倍内閣の閣僚を大幅に引き継ぎ、自ら「背
水の陣内閣」と称し、野党が攻勢を強める中、自公政権の立て直しを目指した。政権発
足後ほどなく民主党の小沢一郎代表との党首会談を通じ同党と「大連立」を模索したが、失敗した。
若い安倍前首相の後継として期待されたのは、落ち着きのある、地道な政治だったは
ずだ。振り返れば、「大連立」という奇策に安易に走ろうとしたところがつまずきの始
まりだったのではないか。
(中略)
首相独自の政策としては消費者庁の設置や道路特定財源の一般財源化などを打ち出し
たが、局面打開に至らなかった。「改革に手をつけた」とも言えない1年だったという
ほかない。
重ねて指摘しておく。そもそも今、衆院で3分の2以上を占める与党勢力は、05年
9月、小泉政権の下での郵政選挙でもたらされたものだ。この「遺産」といえる勢力で
国会運営を進めるのは、とっくに限界だったということだ。それを今回は改めて示した。
国民に責任を感じるとすれば、直ちに衆院解散・総選挙に踏み切ること以外、与党に
は道はなかろう。
■ソース(毎日新聞)(中略部分はソースで)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080902k0000m070183000c.html ■関連スレ
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