【文学】「男色」の博識を披露した菊池寛(文藝春秋創業者)の手紙見つかる…投稿者への評価とアドバイス 香川・高松

このエントリーをはてなブックマークに追加
1窓際政策秘書改め窓際被告φ ★
「男色」の博識披露/菊池寛の手紙見つかる

 香川県高松市出身で今年が生誕120年・没後60年にあたる菊池寛(1888―1948年)が、
文藝春秋社に投稿された作品に対する評価とアドバイスをつづった手紙が見つかった。
1925(大正14)年に書かれたものとみられ、「男色(同性愛)」への広範な知識が
披露されている。菊池寛研究の第一人者で、手紙を分析した片山宏行青山学院大文学部教授
(日本近代文学)は「古今東西にわたる男色への深遠な博識がよく分かり、興味深い。
菊池の私信はほとんど残っておらず、文学的生涯を検証する上でも貴重な発見だ」と話している。

 菊池が手紙を出した相手は、当時名古屋市に住んでいた坂田行雄さんで、香川大医学部の
石川元教授(59)の伯父にあたる人物。坂田さんは1900(明治33)年に名古屋市で生まれ、
医学生のかたわら、文学への志も抱いて、文芸誌に盛んに文章を発表していた。
しかし肺結核のため、1929(昭和4)年に28歳の若さで亡くなった。

 手紙の日付は1925(大正14)年の4月8日。坂田さんが文藝春秋に投稿した「作家と男色」と
いう随筆に対する評価とアドバイスとみられ、400字詰め原稿用紙五枚にびっしりと書き込まれて
いる。坂田さんの投稿作は残っていないが、手紙の内容から、井原西鶴を例に、男色文学について
分析したものと推測される。

 手紙には男色に関する「蘊蓄[うんちく]」が満載。ギリシャ神話、シェークスピア、
オスカー・ワイルド、古事記、源氏物語、井原西鶴、近松門左衛門などのほか、中国の諺
[ことわざ]と思われる記述もみられるなど、古今東西の男色に関する博識ぶりが見て取れる。

(以下>>2以降につずく)

四国新聞社 2008/08/31 09:49
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20080831000054