県東部一市四町で相次いでいる女性の遺骨ばかりを狙った骨つぼ盗難事件は十八日までに、
富山市でも発生していたことが分かったほか、旧盆中に各地で新たな被害が確認された。
同日までに盗まれた骨つぼは朝日町七、黒部市六、立山町五、入善町二、上市町一、富山市二と
分かっているだけで二十三個に上る。
被害に遭った墓のうち、少なくとも黒部市内など三カ所に、犯人によるものとみられる犯行を示唆する
メモが残されていた。
被害届や相談を受けた入善、黒部、上市、富山中央の各署は遺骨領得の疑いで捜査している。
過去に県内で発生した骨つぼ盗難はいずれも単発だったが、今回は被害が多発し、共同墓地に
集中していることから同一犯とみている。
魚津、滑川市では被害が確認されておらず、発生場所が広域にわたるため、別の犯人がいる可能性もある。
各署とも首をかしげるのが動機で、「何のために盗むのか。なぜ女性の遺骨なのか。見当がつかない」と話す。
墓の中に残されていたメモは手書きで、「自分のものだ。大切にするから探さないで」「大事にするので
心配しないでください」などと書かれていたという。
メモの中には、墓の内部の湿気などで破損の激しいものもあった。
県警は犯人に結び付く証拠とみて、鑑定を進めている。
犯行の手口には共通点がある。
犯人は墓の納骨室を開け、大半は一番手前の骨つぼを盗んでいる。
手前の骨つぼは新しく、つぼに書かれている名前から性別が判断しやすいためと、各署はみている。
犯行時期は、何年も納骨室が開けられていない場合が多いことから特定が難しい。
ただ、毎年確認している家族もおり、同一犯であれば、昨年の旧盆が終わってから一年間の犯行の可能性が高い。
骨つぼを盗まれたある家族は「ばあちゃんの遺骨がどこに行ったのか。気味が悪く夜も眠れない」と不安を口にした。
北日本新聞 2008年08月19日 07:03
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20080819/14368.html 骨つぼ盗難の被害場所・個数
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20080819/img/img48a9bd655f310.jpg