【変態報道】 「毎日新聞、対処大失敗」「2ちゃんねらの怒り=一般ユーザーの怒り」「若手ねら〜社員に対処任せろ」…伊地知晋一氏★7
・毎日新聞社は「WaiWai」で下劣かつ誤った記事を配信し続けてきたことに対し、新聞1面で謝罪し
中面2ページにわたって内部調査の結果を公表した。「毎日jp」の広告配信も復活し始めている。
ただネット上で起きた「炎上」「祭り」はいまだ鎮火していない。
毎日新聞社は事件の対応をどこで間違えたのか。かつてライブドア堀江社長の逮捕時に
史上最大級のブログ炎上を経験している“炎上アナリスト”、ゼロスタートコミュニケーションズ
専務取締役の伊地知晋一氏に話を聞いた。
−−毎日新聞社の事件対応はどこをどう間違えたとみているか?
有名企業で不祥事があれば大なり小なり起こる「祭り」と呼ばれる現象で、ネット普及初期から
よくあることだ。
「炎上」の場合は、自社運営サイトが荒れる格好になるので、お詫びをするとか、コメントを
削除して沈黙するとか、対処策の良し悪しはあるものの何らかの決断を迫られる。ところが
「祭り」の場合は自陣が直接荒れるわけではないので、感度が鈍くなってしまう。「どうせ
すぐ終わるだろう」とタカをくくる。毎日新聞も恐らくそう考えたのではないか。明らかに失敗事例だ。
−−初動の遅れが響いた?
信ぴょう性の薄い低俗な雑誌記事を転載(一部改変)して「毎日」の冠を付けて配信し続けたと
いうことで、火種が大きすぎる。ただ、大火、延焼を未然に防ぐポイントはあった。記事に対する
クレームは以前からあったようだし、まとめサイトを案内・誘導するコピペが2ちゃんねる内で
5月ごろからよく張られるようになった。こうした動きを察知していた人はいたはずだ。
この段階でわびて、責任者に相応の処分を下していれば、鎮火も可能だったように思う。
ところが、スルーしてしまったために「J-CASTニュース」が記事にして、それをYahoo!JAPANが
トピックスで取り上げるという最強の情報波及ルートによって、“悪事”がネットユーザーに知られる
ことになった。こうなってから後悔しても後の祭りだ。(
>>2-10につづく)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20080806/167358/ ※前:
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1218342325/
(
>>1のつづき)
−−“祭られやすい企業”というのはあるか?
無名より有名な方が企業も人も叩かれやすい。特に他者に厳しい姿勢を示す企業・人は、
それがそのまま跳ね返ってくる。不祥事企業を問い詰めるマスコミはその典型。
毎日新聞は、連載「ネット君臨」で2ちゃんねるの書き込みや炎上を取り上げては「ネットの負の
側面」として批判記事を書いてきたため、発火点は格段に低くなっていた。
−−おわびと内部調査記事については?
新聞社が1面で謝罪して、特集2ページを割いて検証記事を載せたこと自体は画期的で、
反省の表れだと思う。ただ残念なのは、「チェックが杜撰だった」ということが分かるだけで、
コトが起きた経緯は不明なままだし、説得力のある改善策もない。そして識者の口を借りる
ような形で、「匿名ネット社会の暗部がただごとではない」と批判している。これでは「頭を下げる
フリして舌を出している」と受け取られてしまう。
おわびと処分を発表した時も「違法行為には法的措置を取る」とやって反発を買ったが、
1カ月たってまた同じコトをやっている。これでは静まるわけがない。
−−ネットユーザー側の“戦い方”に変化が見られる。
一つはまとめサイトの活用が挙げられる。後から事件を知った人でもすぐに時系列でコトの
いきさつを把握して、“怒りの輪”が簡単に広がっていく。また、削除しても“魚拓”に取られ、
対応の不手際は記録されて履歴として残る。そんなまとめサイトにブログなどからリンクが
集中すると、企業名で検索した時にSEO効果でまとめサイトが上位表示される。話題が下火に
なっても、検索結果上はなかなか風化しないことになる。
もう一つは、企業の弱点を突く行動と言うか、やられたら嫌なことがネットの集合知で明確になり、
行動が一定の影響を与えるようになったこと。“成果”を上げるのが難しい不買運動ではなく、広告主
への抗議・問い合わせに向かったのが、企業としては痛かった。 この点は、倖田來未さんの「羊水」
発言事件と似ているように思う。あの時もCD不買ではなく、CM出演企業に抗議がいったことが
致命傷になった。女性を敵に回したことも共通している。 (
>>3-15につづく)
(
>>2のつづき)
−−企業はネットとどう付き合えばよい?
変に構えたり媚びたりする必要はない。2ちゃんねる利用者の数が800万〜900万人に上るというから
特殊な層ではなくフツーのネットユーザーだ。会社の若手・中堅社員の中にもいるはず。
違法な書き込みがもしあれば粛々と対処すればいい。
−−「ねら〜=サイレントマジョリティー」であると…。
「2ちゃんねる=悪」「2ちゃんねら〜=ニート、ネット右翼」といったステレオタイプな認識のまま、
一個の特殊な人格と見なして対峙しようとするからおかしなことになる。彼らが怒っているとしたら、
それはフツーのネットユーザーが怒っているということ。自分に非があるか、説明不足で誤解
されているかどちらかなのだから、おわびするか、誤解を解くように説明を尽くすかすればよい。
そこらへんの空気、風を毎日新聞は読めていない。
−−風の息づかいを感じていれば防げた…?
おわび文の作成や検証委員会に、広告主へのおわび行脚で苦労した広告営業部員や、
「若手ねら〜社員」が加わっていたら、もっとまともな内容のものが出来上がっていただろう。
不祥事が起きてしまったら、謝罪をして対応に当たるのは当然として、それを消費者によく見える
形で伝えることも大切だ。せっかくWebサイトがあるのだから、新たな事実を把握した段階で適宜
リリースを打つなどすれば、「“中の人”はしっかり対応している」というメッセージになり、怒りを
和らげることにつながる。あとは謝罪をすぐに引っ込めないこと。事件・事故を起こしてしまった
企業のWebサイトは、事後対応の事例として学ぶところが多い。
騒動は遅かれ早かれ終息するが、うやむやに終わらせた場合は、ことあるごとに前例を
持ち出されて批判される。沈静化というより悪評の定着・一般化になってしまう。企業は、
強力な監視能力を持つネットユーザーの存在をもっと認識した方がいい。(以上、抜粋)