【毎日新聞・変態報道】電凸のすさまじい破壊力 インターネットとマスメディアの関係性根底からひっくり返すかも 佐々木俊尚・CNET

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67春デブリφ ★
(>>53の続き)
 しかし実際には、毎日社内にはかなりの論争が起きているというか、対立のようなも
のが発生している。端的に言えば、それはネットに対して歩み寄ろうとしている人たち
と、ネットを批判している人たちの対立である。後者のネット批判者たちの中心には、
昨年正月に毎日紙面に連載されてネットの言論空間でたいへんな物議を醸した『ネット
君臨』に関わっている人たちがいる。

 『ネット君臨』について私の立場を言っておくと、昨年にはこのCNETのブログで、
「毎日新聞連載『ネット君臨』で考える取材の可視化問題」、「毎日新聞『ネット君臨』
取材班にインタビューした」という2本のエントリーを書き、毎日の取材を強く批判
した。またこの一連の取材経緯は、昨年夏に講談社から刊行した『フラット革命』(講
談社)という書籍でも詳しく書いている。
 そして朝比奈社長は言うまでもなくネット君臨派だ。彼はネット君臨の連載当時は、
編集の最高責任者である主筆の立場にあり、柳田邦男氏や警察庁の竹花豊氏、ヤフーの
別所直哉氏に加えて私も参加した「ネット君臨」識者座談会で司会を務めた。この座談
会で私が「ネットの匿名言論には、会社の圧力などに負けて実名では発言できない人た
ちが、正論を言える場所として重要な意味がある」といった話をしたところ、彼は
「そんな卑怯な言論に答える必要はない」と司会者の立場も忘れて反論を始めた。私が
「匿名でしか発言できない立場の人間には有効なのではないか」と言い返すと、
「そんな者の言うことは聞く必要がない。言いたきゃ実名で言えばいいんだ」と切って
捨てた。

 朝比奈社長は一九六〇年代末、東大農学部の全共闘のメンバーだったと言われており、
マスメディアには彼のような学生運動経験者が大量に流れ込んでいて、いまや編集、
経営の幹部クラスに名前をぞろぞろと連ねている。彼らは「自分が時代の最先端を走っ
ていると信じていて、自分が理解できないものはいっさい受け入れない」という全共闘
世代の典型的な特徴を備えている。だからインターネットのような新しいメディアの本
質を理解しようとしないし、歩み寄る気持ちもない。
(続く)