・大分県の教員採用汚職事件に絡み、県教委ナンバー2の富松哲博・教育審議監が08年度の
小学校教員採用試験で、大分市教委の部長から特定の受験者について口利きを受けたことを
示すとみられる資料が県警に押収されていることが、関係者の話で分かった。この受験者は
地元有力企業の幹部の子で、幹部は部長から合格の事前連絡を受けたと話している。
関係者によると、08年度の小学校教員採用試験では、元県教委義務教育課参事、江藤勝由
容疑者(52)=収賄容疑で再逮捕=が富松審議監から約20人を合格させるよう指示され
合格ラインに達していた4、5人を除く15人ほどに加点。成績が悪かった2人を除くほぼ全員を
合格させたとされる。
こうした指示の際、富松審議監は特定の受験者に印をつけたり、口利きなどを受けた人物名を
記したりしたリストなどを江藤元参事に渡していたという。幹部の子については部長の名前の
ほか、得点を約60点かさ上げした旨の記述があるという。
幹部の説明によると、06年11月、パーティーで部長と同席した際、子が教員をめざしていると
話した。部長から「1次試験に合格したら教えてほしい」と言われたため、子が1次に合格した
07年9月ごろ、市教委に部長を訪問。「助けられるものならお願いします」と話したところ、
10月の合格発表の前夜、部長から合格の連絡を受けたという。
幹部は、同年暮れに歳暮を部長に贈ったとしている。「部長には『合格させてほしい』とは
言わなかったが、たまたまパーティーの席で会った縁に甘えてしまい反省している」と語った。
一方、部長は幹部の子自身について「臨時講師として頑張っていると聞いていたので関心があり、
自分に結果を知らせてくれるよう県教委幹部にお願いしただけだ」と説明。「父親が誰かは
知らなかったし、合格したとも伝えていない」と口利きを否定し「歳暮も受け取っていない」と
している。ただ「発表直前に合格したと聞いた」と、県教委側から事前連絡を受けたことは
認めている。
小学校教員試験は倍率は11.5倍だった。(一部略)
http://www.asahi.com/national/update/0722/SEB200807210023.html