土地バブルの仕掛け人が書いた告白本
2007/07/06
最近読んだ本が大変面白かったので、今回は本コラムの趣向を変えてこの場で紹介してみたい。
取り上げるのは吉原 勇著「特命転勤 毎日新聞を救え!」(文藝春秋刊)である。
新聞社と大手生保、政治家の絡み合う利害が、1980年代末の大阪で土地バブルに火を付けた。
本書は、そのてん末を当事者の立場から告白している。
著者は毎日新聞経済部の記者、デスクとして東京で活躍したあと、大阪本社に転勤して
特命プロジェクトに関わった。
彼の使命は、綱渡りの経営が続いていた毎日新聞の財務状態を改善し、
さらに情報投資の資金を捻出するために、考えられる限りの手段を使って土地を高値売却することだ。
毎日新聞大阪本社があったのは、北新地にほど近い1万4000m2(4300坪)の土地だ。
今は、延べ床面積約10万m2の豪華なオフィスビル、堂島アバンザが建っている場所である。
それまで1坪2800万〜4000万円程度とみられていた土地価格を、著者は最終的に8500万円までつり上げる
ことに成功する。
ttp://kenplatz.nikkeibp.co.jp/fa/free/column/20070706/509533/