【飛騨牛「丸明」】BSE未検査肉を保管…流通の可能性も

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1帰社倶楽部φ ★
飛騨牛の偽装表示事件で、食肉販売会社「丸明(まるあき)」(岐阜県養老町)が、国内でBSE(牛海綿状脳症)
感染牛が初めて見つかった2001年9月以前に食肉処理された牛肉を大量に冷凍保管していることが9日、
県警と県の調べで分かった。
BSE未検査の肉が流通した可能性があるため、県は厚生労働省と連絡を取り、保管されている冷凍肉を別の倉庫に
搬出して調べている。

6月23日、県が日本農林規格(JAS)法違反などの容疑で立ち入り調査を行った際に確認した。
冷凍肉は十数キロ単位で段ボール箱に入れられ、同社の冷凍倉庫に積み上げられていた。
段ボール箱のラベルには、1995年(平成7年)に加工されたことを示す「加工年月日7・7・8」や、
99年(同11年)の加工を示す「加工年月日11・8・26」の記載があった。関係者によると、
同時期の加工肉は少なくとも十数トン分保管されていた。
同社は、冷凍肉をミンチ用肉として5センチ四方のサイコロ状に切り分けて10キロずつ箱詰めにし、大手スーパー
などに1日150〜500箱を出荷していた。同社の元従業員は読売新聞の取材に対し、「社長の指示で5年以上前
の肉を混ぜていた」と証言している。

BSE感染の有無を調べる全頭検査は01年10月から、食肉用に出荷されるすべての牛を対象に始まった。
開始に際し、国は全頭検査前の未検査の肉を買い上げて処分。丸明も約47トンを申請し、農林水産省の外郭団体から
助成金約5200万円を受け取っていた。厚労省食品安全部監視安全課は「全頭検査の開始に伴い、国で未検査の
肉を買い取って処分したため、未検査の肉が存在しているのは想定外だ」としている。

同社の吉田明一(あきいち)社長(65)は、県の事情聴取に対し、全頭検査前の肉の保管目的について明確な説明を
していないという。県と厚労省は、食品衛生法違反も視野に同社の出荷記録などを調べ、従業員らから事情を聞いている。

(2008年7月9日14時47分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899579/news/20080709-OYT1T00456.htm