四川大地震で最も深刻な被害を受けた北川県周辺の山岳部で複数の核・宇宙関連施設を確認した。
軍管轄下にある核関連施設の実態はベールに包まれており、放射能漏れなど被害は現認できないが、
いずれかの施設が被災した可能性は否定できない。
関係筋は、核関連の重要な基地・研究施設は
「山奥の大きな地震に影響されない岩盤の中か山をくりぬいて建設されている」と指摘する。
最高の軍事機密ながら、北川県周辺の山岳部では、軍関連施設を少なくとも2カ所目撃した。
一つは正面玄関に高さ数十メートルのロケットの模型がそびえる。「中国航天」の文字。
もう一つの施設は軍の研究施設だった。
通信車両が横付けにされたゲートで小銃を手にした兵士が歩哨に立っていた。
山岳部をさらに走ると、山の頂上にレーダー管制施設らしい建物があった。
「一帯は宇宙、核の関連基地、施設がある。
海外の救援ヘリの飛行を認めるわけがない」と現地の災害対策に従事する関係者は話す。
軍事専門家によると、四川省には、核、宇宙、兵器関連の基地・貯蔵・研究施設及び関連企業が、
北川県や安県を含む綿陽市、江油市、楽山市などに点在する。
これら施設はプルトニウム生産、核分裂や核弾頭及びロケットなどを研究する施設で、
綿陽市内には物理研究施設が見られた。江油市には、中性子爆弾を製造しているという「857工場」がある。
広元市には大陸間弾道ミサイルの核弾頭のプルトニウムを製造する「821工場」がある。
同工場は「地震発生後、修復工事を行い環境汚染の防止に大きく貢献した」とされ、
地震後に「大量のコンクリートが運び込まれた」との情報もある。
事実ならば放射能漏れ防止工事の可能性も否定できない。
いずれにせよ、中国は新型の核ミサイルの開発、実戦配備段階にあり、
いずれかの施設が被災したとすれば今後の核配備計画にどう影響するのか注視される。
温家宝首相が地震発生直後、四川省に入った際、複数の核の専門家も同行したとみられている。
これは中央指導部が地震の規模だけでなく、核関連の被害の有無にかなり緊張したことをうかがわせる。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080611/chn0806112157006-n1.htm