<就職戦線に異常アリ! 「超売り手市場」終焉か>
「来年の就職は結構厳しいから、覚悟しておいてほしい」
ある私立大学の担当者は、現3年生を対象にした就職セミナーでこうクギを刺している。
「日本経済新聞」の調査では、主要企業による今春の新卒採用計画(来年4月入社)は、
前年比8.1%増。依然として売り手市場であることに変わりはないが、「一部の大手企業は
春先から採用数を絞り始めている」(就職情報会社の営業担当者)のだ。
(略)
ここ数年、景気回復を見込んだ事業拡大や団塊世代の退職ラッシュを受けて、多くの大企
業が内定を乱発し、新卒学生の量的確保に走ってきた。だが、今春の採用方針は「無理し
て数合わせをしない」であり、入社の意思を厳しく確認するようになっている。結果として内
定が出にくくなっているというわけだ。
最終的には、相変わらず人手不足が深刻な中堅・中小企業へと流れていくので就職率が
大きく下がる心配はないが、「超売り手市場」と言われた昨年、一昨年に比べて変調を来
しているのは間違いない。
この変調の直接の引き金になっているのは、サブプライムショックによる株価低迷に加えて、
円高と原油高が進み、景気の先行きが不透明になりつつあることだ。しかし、長期的に見
れば、リストラなどで新卒採用を絞ってきた大企業が、いびつな年齢構成を修復するために
実施してきた採用攻勢が一段落したともいえる。(以下略。全文は
http://diamond.jp/series/inside/06_07_006/ )