持っていると幸運を呼ぶ生物とされる謎の物体「ケサランパサラン」を、山形市内に住む児童が大石田町の
山中で発見した。児童が県立博物館(山形市)に持ち込んだところ、担当者は「確認したのはこの7年で
わずか3件ほど」と説明、発見した児童の一家は、神棚に飾って大切にしたいと話している。
「ケサランパサラン」を発見したのは山形市風間の小学6年生、佐藤綾夏さん(11)。今月18日正午ごろ、
一家5人で大石田町横山の山中で山菜採りをしていた時、地面に、直径7センチほどのふわふわした綿毛の
ようなものを発見した。「最初はネズミかと思ったけど、全然動かないので拾ってみた」という。家族と一緒に、
本物かどうか確認してもらおうと、県立博物館に持参した。
博物館ではケサランパサランのレプリカを展示している。説明文には「2月から3月にかけて、神社や深山の
木のたもとに天から舞いおりてくる。拾った人は一生幸運に恵まれると言い伝えられている。きり箱に食べ物の
おしろいを入れ、1年に1度しか見てはいけない。2度見ると、幸せが逃げてしまう」。学芸員の八鍬拓司さんは
「信用するかどうかは見つけた人次第」とした上で、「学芸員の立場で言うと、ケサランパサランには植物タイプと
動物タイプがあり、今回のは、動物の毛。ワシやタカがウサギなどを捕まえた時に、皮ごと毛をはぎ取り、
上空で放す。その皮部分が凍結乾燥して、次第に全体が丸くなるという説がある。発見しても内緒にする人が
多いだろうが、担当になって7年で3件ほどしか持ち込まれていないし、とてもきれいな状態」と解説する。
エサとして強力粉を与えていた綾夏さんは「御利益が薄れないよう、これからは年に1回しか見ないようにしたい」
と話し、神棚に飾ることにしている。
http://yamagata-np.jp/news/200805/22/kj_2008052200327.php