「1リットル=150円を超えるくらいでないと影響は出ないといわれていたが、
ガソリン税復活で160円も当たり前になり、時代はガラリと変わる」
1日、1リットル25円のガソリン税の暫定税率が復活したことを受けて
自動車業界関係者の間では、相当の危機感が広がっている。
値上げでまず直撃を受けるのは全国に4万4000店あるガソリンスタンドだ。
4月には赤字覚悟で値下げしていたガソリン価格は、
これを機に高騰する可能性が大きいからだ。
「およそ7割が赤字とされるスタンドは、ネットでの中古車やタイヤ販売、
車検、廃車・事故車の買い取りなど“油以外収益”を増やしてなんとかやっている。
この上、値上げが続けばスタンドがバタバタ倒産、廃業に追い込まれるのは確実です」
(都内スタンド経営者)
すでに3月下旬にはスタンド経営の山カ石油(愛知県)が80億円の負債総額を抱えて倒産。
実際、1バレル=100ドルの壁はあっさり破られて、今や110ドル台。将来200ドルに
跳ね上がるという予測まであり、スタンドはどこも明日はわが身だ。
変化はクルマにも及ぶ。自動車ジャーナリストが言う。
「お客は燃費のよさをクルマ選びの基準に置くようになると関係者はみています。
売れ筋は、軽自動車やコンパクトカー、ハイブリッド車です。とくに毎日の通勤で
クルマを使う人は乗用車から軽に乗り換えるでしょう」
こうした時代の到来を予見してか、日産NOTEは燃費のよさを前面に出したCMを打っている。
ガソリン価格の高騰はスタンドの淘汰とクルマ社会の常識を大きく変えてしまいそうだ。
最終更新:5月4日10時0分 5月4日10時0分配信 日刊ゲンダイ
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