与党は25日、揮発油(ガソリン)税の暫定税率を復活させる租税特別措置法改正案の「みなし否決」が
事実上確定したのを受け、27日の衆院山口2区補選の勝敗にかかわらず、
同法案を30日に衆院で再可決する不退転の決意を表明した。
与党は参院本会議で、委員会採決なしに本会議で採決を可能にする「中間報告」を求めた。
中間報告は、採決前の法案の委員会での審議状況を本会議で委員長に報告させ、本会議採決を可能にするもの。
安倍政権下の昨年6月、民主党の委員長が公務員制度改革関連法案の採決を拒否、
当時参院で多数だった与党が中間報告を使い法案を成立させたが、
与野党逆転の参院では、この手法が通らないのは明白だった。
にもかかわらず与党が中間報告を求めたのは、採決に最後まで努力した姿勢を見せ、
世論向けに「再可決やむなし」をアピールするのが狙いだった。
与党は24日の参院財政金融委員会でも租特法改正案の採決を求めたが、
これも「民主党の拒否→再可決」を念頭に置いた動きと言える。
「最後の最後まであきらめず、中間報告を出したにもかかわらず否決された」。
自民党の大島理森国対委員長は記者会見で、採決に応じなかった民主党を厳しく批判した。
政府にとって再可決は絶対に譲れない。
暫定税率失効で4月に国と地方で計約1800億円の歳入欠陥が生じ、
4月末には自動車重量税の暫定税率の期限も切れ、改正案の成立が遅れるほど税収不足は拡大する。
自民党参院幹部は「再可決をしないようでは、自民党の本当の支持者は誰もいなくなる」と語る。
再可決直前の衆院山口2区補選では自民候補の劣勢が伝えられるが、
町村信孝官房長官は「選挙結果にかかわらず、必要なことはしっかりとやっていく」と強調。
福田康夫首相は5月上旬に検討していた英仏独歴訪を断念、再可決に伴う政局混乱に備えている。
ただ、25日の参院本会議では中間報告を求める動議の採決で、
与党から自民党の青木幹雄前参院議員会長ら16人が欠席・棄権に回り、政府・与党の足並みの乱れも露呈した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080426k0000m010115000c.html