【沖縄タイムス社説】信頼がまたも揺らいだ 特定危険部位が混入していた事実を軽く見るわけにはいかない[米国産輸入牛肉危険部位混入]

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1西独逸 ◆jsuaGAIDa2 @西独逸φ ★
米国産輸入牛肉から特定危険部位の脊柱が見つかった。「あれほど騒がれたのに、またか」というのが正直な感想だ。

政府は牛海綿状脳症(BSE)の病原体が蓄積しやすい脳や脊髄、脊柱などを特定危険部位に指定し、輸入を禁じて
いる。ことさら不安をあおるのは慎まなければならないが、輸入が認められていない特定危険部位が混入していた
事実を軽く見るわけにはいかない。

食の安全・安心にかかわる事案については消費者の要求水準が著しく高くなっており、安心をより重視する傾向が
強い。そのことを前提にした消費者目線による再点検作業が必要だ。

脊柱のついた牛肉は、米食肉大手のカリフォルニア工場から出荷されていた。昨年八月に伊藤忠商事が輸入し、
大手牛丼チェーンの吉野家に販売、吉野家が埼玉県内の加工工場で見つけたという。今回はかろうじて業者の
チェック機能に救われたことになる。

それにしても、米国の業者はなぜ、特定危険部位の混入を防げなかったのか。米農務省は「日本向けでないものが
誤って出荷された」と説明しているが、なぜ、ミスが起きたのか。早急に原因を究明し、再発防止策を打ち出さなければ
ならない。

輸入牛肉の中から特定危険部位が見つかった以上、米国が求めている牛肉の輸入条件撤廃を簡単に受け入れるわけ
にはいかなくなった。条件撤廃なんてとんでもない―というのが消費者の偽らざる気持ちだと思う。日米で合意した
ルールを守るための態勢づくりが先決だ。(2以降に続く)

ソース
沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20080425.html#no_1
2西独逸 ◆jsuaGAIDa2 @西独逸φ ★:2008/04/25(金) 12:34:43 ID:???0
 >>1続き

二〇〇三年十二月に米国内でBSE感染牛が確認されたため、政府は米国産牛肉の輸入を停止した。これが事の
始まりである。

〇五年十二月、生後二十カ月以下の牛に限り、特定危険部位を完全に除去することを条件に輸入を再開した。ところが、
〇六年一月、特定危険部位の混入が発覚したため再度輸入を停止した。

その後の交渉で、再発防止策を強化することを条件に〇六年七月から輸入を再々開。米国は生後二十カ月以下という
輸入条件の緩和もしくは撤廃を政府に求めていた。

特定危険部位の混入を受けて、政府はすべての米国産牛肉に対し、輸入時の抽出検査を厳しくする方針だ。その一方で、
町村信孝官房長官は「誤って積載されたものなので、輸入停止等の措置は必要ない」と言っている。

輸入牛肉に対する国内の検査体制はどうなっているのか。

すべての荷を開ける全箱検査から、一部の荷を開けて異常がないかどうかを調べる抽出検査に切り替えたのは昨年六月の
ことである。再び特定危険部位が発見されたため政府は抽出検査の抽出割合を高めるのだという。

輸入箱数七百個当たり十三個から八十個に検査数を増やしたとして果たしてどれだけ効果があるのか、大いに疑問で
ある。全箱検査を復活させることが非現実的だというのであれば、政府は輸出入システムの全体をもう一度洗い直し、
消費者が納得するような具体策を打ち出さなければならない。

 終わり