米国産牛肉に、牛海綿状脳症(BSE)の原因物質が蓄積しやすく、輸入を認
められていない「特定危険部位」の脊柱(せきちゅう)が混入していた問題で、
政府は24日、今回の事態を受けて輸入停止の措置はせず、米国産牛肉の抜き
取り検査の強化で対応することを明らかにした。
町村官房長官は24日の会見で、「今回の事例は、誤って積載されたもので、
対日輸出プログラムのシステム上の問題ではない。輸入停止等の措置は必要な
い」と述べた。一方で、「食の安全、信頼性を損なう」として、米国政府に対
日輸出条件の徹底を申し入れたことを明らかにした。若林農水相も会見で、
「現在進められている輸入規制の協議に影響はない」と語った。
また、舛添厚生労働相は国会内で記者団に、「検疫所での米国産牛肉の抜き取
り検査を、現在の1〜2%の割合から1割に引き上げる」と説明した。
全国の検疫所に23日付で通知した。政府は昨年6月、06年7月の輸入再々
開時から続けてきた全箱検査から抜き取り検査に変更。検疫所で施設の輸入実
績に応じて実施している。
今回、問題となった米ナショナルビーフ社カリフォルニア工場の牛肉の輸入量
は、輸入再開以降、約1万1千トンで、米国産牛肉の約2割を占める。厚労省
によると、実績が1千トン以上の場合の抜き取り数は4段階のうち最も低い1
〜2%で、今回の引き上げは100〜1千トンレベルになる。
舛添氏は「消費者の口に入る前に止めることができたのはよかったが、二度と
あってはならない。今後も米国業者にきちんと管理を要請する」と話した。
http://www.asahi.com/life/update/0424/TKY200804240152.html