アイルランドの緑党の党首、環境庁長官のゴムリ氏が4月12日の党大会演説で、
中国当局によるチベットでの武力弾圧を非難した際に、大会に招待された中国駐アイルランド大使館の劉碧偉・大使は
即座に退場したハプニングがあった。
ゴムリ党首は、「人権への尊重はすべての国と文化に浸透すべき。
チベットは長い間に中国共産党に略奪されて抑圧されてきた。
我々は中国国民と良好な関係をずっと保っているが、中国共産党による人権侵害行為を非難しなくてはならない。
と同時に、当局とダライ・ラマ氏との対話も呼びかけていく」などと発言した。
BBCによると、その発言の直後に、テレビ画面では、
同大会に招待された中国駐アイルランド大使館の劉碧偉・大使は助手と耳打ちした後、一斉に立ち上がって退場した。
一方、列席者からはこの発言への拍手が沸きあがった。
一部のメディアはその後の劉碧偉・大使がゴムリ党首を非難する言論を引用、
「このような発言があるのを事前に知ったら、この党大会に参加しなかった」という。
一方、ゴムリ党首はアイルランド国家テレビの取材を受け、同大使には事前に知らせていた、と説明している。
ゴムリ党首は、緑党の党首として、環境保護に力を注ぐだけではなく、人権保護をも擁護する、と強調し、
今回の議題は長年来の強い思いであるとし、
「我々は中国当局とダライ・ラマとの対話実現に努力すべき。あそこでの平和を望んでいるからだ。
チベット人への迫害を容認すべきではない」と述べた。
アイルランドのアハーン外務大臣は今回の出来事について、
ゴムリ党首の観点は自国の対チベット政策とは一致しているとし、
ただし、チベットは国家組織ではない、ダライ・ラマが求めているのは独立ではなく、民族の自治である、と述べ、
「我々はあそこ(チベット)で今発生していることを非難するのは当然であり、
中国当局は独立調査員とメディアが現地に入るのを受け入れるべきである」となどと話した。
http://jp.epochtimes.com/jp/2008/04/html/d38105.html