気分屋クーちゃん不機嫌 名港水族館 雌のシャチ
名古屋港水族館(港区)の雌のシャチ「クー」がここ数日、不機嫌だ。
5日は飼育員の指示をまったく聞かなくなり、予定していたトレーニングが中止に。
6日は何とかこなしたが、気乗りしないのか本調子ではなかった。知能が高く、
感情が豊かなシャチの一面なのだとか。
「ほら、ビーさんはもう行ったで。そんなのろくて大丈夫かいな」。神田幸司飼育員(32)の
つっこみに笑いが起きる。イルカのビーとは対照的に、クーのジャンプは勢い不足。神田さんの
軽妙な語り口に助けられ、何とか拍手の中で演技を終えた。
異変は3日から。指示への反応が鈍り、いやいや応じる雰囲気に。5日午後は飼育員を無視して泳ぎ続けた。
実はクーは6週間に1週間ほど機嫌が斜めになる。当初は「何が原因なのか」と飼育員を悩ませたが観察の結果、
性周期が関係していると分かった。イルカよりもさらに、シャチは気分の起伏が大きいという。
クーは毎日、観客に技を披露する時間があるが、目的は頭と体の健康のためのトレーニングであり、ショーではない。
「ショーなら、しかってでも技を成功させるが、ここは研究目的で飼育している。自然な感情と動きを見てもらっています」と神田さん。かわいいし、わがままは許される。クーは飼育員らに水族館で「お姫さま」と呼ばれている。
[中日新聞]2008年4月7日
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080407/CK2008040702001589.html 何とか機嫌を持ち直してトレーニングを終えた後、神田幸司飼育員に舌を出すクー=名古屋市港区の名古屋港水族館で
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20080407/images/PK2008040702101744_size0.jpg