【長野義妹殺害事件】自分の妹を惨殺した妻かばう夫の思い 「ぼくの気持ちは、ずっと支えていくつもりです」

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1出世ウホφ ★
自分の妹を殺した妻を、夫は「ずっと支えていくつもりです」と法廷でかばった。長野県富士見町落合で
町社会福祉協議会臨時職員の五味絵里子さん=当時(24)=を殺害した罪に問われた元同協議会職員、
五味咲被告(24)の公判に、絵里子さんの実兄で咲被告の夫が4日に証人出廷した。
血を分けた妹を残忍な方法で奪われた遺族でありながら、夫は犯人の妻への「思い」が強いと証言した。
あまりに切ない殺人事件の被害者・加害者となった2人の女性を、最も近くで見てきた夫の「結論」とは−。
(芦川雄大)

■迷いなく明言「ぼくの気持ちは…」
検察官「妹さんでもある被害者よりも、被告に対する気持ちは強いですか?」
夫「はい」
弁護人「離婚するつもりは?」
夫「形式上の離婚は子供のためにあるかも知れないが、ぼくの気持ちは、ずっと支えていくつもりです」
荒川英明裁判長「被告の処遇についてどう考えていますか?」
夫「情状酌量を求めます」

4日、長野地裁松本支部で開かれた咲被告の第2回公判。証人尋問に臨んだ黒いスーツ姿の夫は、
妻に対する思いの深さを迷うことなく口にした。
手をひざの上に組み、裁判長が座る正面を向く夫。真横の長いすでうつむく妻の咲被告。
2人の距離はわずか数メートルだが、視線が交差することはなかった。
冒頭、咲被告の性格を問われた夫はこう証言した。
「自分の欲しい物があっても買わず、安くなるまで待つような性格です。
私や娘(の欲しい物)を優先させていました」
弁護側の質問に導かれながら、咲被告が絵里子さんとの関係に悩んで夜中に泣いていたことや、
精神状態が不安定となって病院に通っていたことなどについても明らかにした。

3月8日19時6分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080308-00000924-san-soci
>>2以降に続く
2出世ウホφ ★:2008/03/08(土) 19:55:30 ID:???0
■「母が娘を可愛がって」…あまりに切ない法廷
夫に対する証人尋問の後、再び行われた被告人質問に対し、咲被告は荒い呼吸を繰り返し、
背中を上下させながら、涙ながらに供述した。
「このまま夫に甘えていちゃいけないと思って離婚を考えていました」
「私には母親の資格はないと思っています」
「本当ならもう縁を切られても当然なのに、(夫は)面会に来てくれたり、
手紙をくれたり、ずっと支えてくれていて、本当に申し訳ない」

確執がもとで、絵里子さんと同居していた夫の実家から、近所に転居することを決めたときのこと。
裁判長から「絵里子さんから(もっと遠くに)離れることは考えなかったんですか?」と問われると、
咲被告はとつとつと答えた。

「娘を主人の母が可愛がってくれていて、遠くへ行っちゃうと顔を
見せられなくなってしまうので…近くへ引っ越しました」

このやりとりに、傍聴席の一画にいた親族らは泣き崩れた。
心底、やりきれない光景だった。

■実の兄が語った被害者・妹の“素行”
公判は、咲被告の犯行時の精神状態と、自首の成立の可否が中心的な争点とされてきた。
だが、4日の公判では、裁判所は弁護側から出されていた精神鑑定請求を、
判断理由を明かさずにあっさりと却下してしまった。
責任能力について「問題なし」と裁判所がみていることが示されたことで、
量刑を左右する数少ない争点として、2人の「確執の原因」がさらにクローズアップされることになった。
弁護側は、絵里子さんと咲被告の確執の本質が、絵里子さんによる「日常的ないじめ」と明確に指摘し、
被害者である絵里子さん側に「事件を引き起こした主因があった」とする見方を示しているが、
4日の夫の証言は、その面でも咲被告を“援護射撃”するものとなった。
>>3以降に続く
3出世ウホφ ★:2008/03/08(土) 19:55:49 ID:???0
「妹(絵里子さん)が高3の時、私も妹も2階に部屋があり、たばこの臭いがすごかったので注意したら、
(絵里子さんが交際していた)男が私の部屋まで来て5分ぐらい怒鳴られ、妹と関わるのはやめようと思いました」
「(結婚後、実家で絵里子さんと同居していたとき)『早く出て行け』というメールが妻に来たので、すぐに引っ越しました」
「『母から娘の生活資金をいただいたが、(絵里子さんに)返せと言われた』と(咲被告から)聞きました」

少しでも妻の刑を軽くしたいという必死さもあったのだろうか。咲被告と結婚する前のエピソードまで交え、
被害者の性格や素行に関する“問題点”を、実の兄である夫が次々と暴露していく異例の展開となった。

■それでも消えぬ「残虐さ」…法廷「事情」とどう勘案?
咲被告に対する「応援」は、夫の証言の他にもある。
公判で証拠としては採用されてはいないが、弁護側は咲被告に対する「寛大な処分」を求めて、
専門学校時代の友人ら7000人を超える嘆願書が集まっていると説明している。
ただ、検察側の主張によると、夫の実母でもある絵里子さんの母は「厳罰」を望んでいるとされ、
遺族間で処罰感情の「温度差」もあるようだ。
18日午後1時45分から開かれる次回の第3回公判では、夫以外の遺族による
意見陳述が行われる予定で、咲被告に対して厳しい言葉が飛び出す可能性もある。
だが、いかなる「事情」があったにせよ、金づち、ひも、包丁と3種類の凶器を
次々と使って行われた殺害の様子は残虐そのものだ。

また、公判で咲被告は検察側の質問に対し、犯行当日に自宅から遠いスーパーの袋を
準備するなどのアリバイ工作を考え、計画の一部を実行していたことを認めている。
犯行が計画的になされていたという経緯や、証拠を隠していた行為は、
犯行の「悪質性」を増し、罪の量刑に著しい影響を与える。
被害者にいじめられ、追い詰められていたという「事情」と、犯行の「悪質性」を、裁判官がどう
勘案して量刑を決めていくか。裁判の行方はその点に絞られてゆくことになる。
公判では、すでに大半の証拠調べが終了しており、18日は意見陳述の後に検察側の論告求刑、
弁護側の最終弁論が行われ、双方の主張が出そろう予定だ。(終)