★ギョーザ中毒 粘り強い捜査を求める
中国製ギョーザ中毒事件が発覚してもうすぐ1カ月になる。
中毒の原因となったメタミドホス以外にも有機リン系の物質が相次いで検出されるなど、
「中国製」への不信感は増すばかりだ。
なのに、中国の公安省幹部は、中国内でのメタミドホス混入の可能性を記者会見で否定した。
日中の警察当局は、互いが収集した証拠などを提供し合い、捜査の加速で合意したばかりである。
中国側の強硬的な姿勢の背景には「食の安全」をめぐって、日本以外の国からも多くの批判の声が
上がっていることが考えられる。北京五輪を控え、妥協的な態度は得策でないと判断したのだろう。
実際に被害を出した日本側からすれば、納得できるものではない。
このままでは溝が深まり、事件の解明は袋小路に入る可能性もある。
今は日中が協力し合う時だ。責任の押し付け合いをしている場合ではない。健康と命がかかっている。
中国はそのことを深く考えるべきだ。
日本側の不信を一段と深めたのは、中毒患者を出した冷凍ギョーザを製造した中国の食品会社で
作られた別のギョーザの袋から、猛毒の有機リン系殺虫剤「パラチオン」が検出されたことだ。
日本では毒劇物法で「特定毒物」に指定され、一般での使用が禁じられている。中国では昨年から
使用を禁じたものの、それ以前は普通に使われていたという。
日本では使われないさまざまな農薬が中国製食品から次々と検出される事態は極めて不自然である。
予断を持ってはならないけれど、不信と不安が独り歩きする事態は日中両国にとって不幸である。
一方で、今回の中毒事件は、輸入に頼る日本の食のあり方に疑問が噴き出し、
食品行政のもろさも見せつける結果となった。(続きは
>>2-5)
信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20080229/KT080228ETI090002000022.htm >>1の続き
厚生労働省は、横浜、神戸の両検疫所にある「輸入食品・検疫検査センター」で、
これまで対象外だった冷凍加工食品の農薬検査を始め、ようやく本腰を入れ始めた。
問題のギョーザを輸入販売したジェイティフーズの親会社である日本たばこ産業(JT)は、
中国企業への生産委託をやめる検討を始めた。中国製加工食品の販売中止を固めた生協もある。
安全対策は急務だが、真相を明らかにしなくては解決にはならない。
日中の警察当局には協力した上での粘り強い捜査を求める。
中国は農薬の管理、使用の実態も調べ、問題がある場合は早急に改めるべきだ。
このままでは世界が今まで以上に「中国製」に対して不信を募らせることになる。
以上