テレビのBS(放送衛星)デジタル放送の周波数割り当て再編を検討している総務省は19日、
新規参入を促すため、新しい免許方式を導入する方針を固めた。
個別事業者ごとに放送免許を取得する従来方式に加え、複数のチャンネルを束ねる
有料放送プラットホーム(基盤)事業者が一括して免許を取得する形態も認める。
同省は平成23年7月以降にBSデジタルのチャンネル数を大幅拡大する予定で、
現行の12チャンネルからさらに10〜20チャンネルが追加される見通しだ。
BS放送は平成元年にアナログ放送が始まり、12年には民放キー局系列のBSデジタル局も一斉に開局した。
しかし23年7月の地上アナログ放送停波と同時にBSアナログ(3チャンネル)も終了予定で、
電波の空白が生じる。
また、国際電気通信連合(ITU)からBSデジタル用として新たに4つの周波数帯を割り当てられている。
これを受けて総務省は、BSデジタル放送向け周波数帯を現在の2倍以上へと拡大する。
今年5月に免許方針を公表、来春から免許申請を受け付け、来夏にも免許交付先を決定する計画だ。
ただ、既存の民放BS局の多くは収益確保に苦しんでおり、チャンネル数の増加は過当競争を招く恐れもある。
このため、総務省は従来の民放無料放送のように、番組の制作・調達、編成、広告営業などを
一手に担う経営形態では事業化が容易でないとみて、有料放送事業者が複数チャンネルを運営することも想定している。
ケーブルテレビ(CATV)やCS(通信衛星)放送に近い形態だが、番組編成権を1社が担うことで、
需要に見合った番組を機動的に提供できる制度を整える考えだ。
放送波の一部でデータを送信してコンピューターなどに蓄積させるサーバー型放送や、
視聴料と電話料金の一括請求など、「通信と放送の連携・融合」を具現化する新サービスも視野にある。
総務省は「BSを地上デジタル放送(地デジ)、CATV、インターネット映像配信などと競い合う
魅力的な選択肢にしたい」と考えだ。
産経新聞 2008.2.20 00:07
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080220/biz0802200007000-n1.htm