国連環境計画(UNEP)の「移動性野生動物の種の保全に関する条約」(CMS)のロバート・ヘップワース
事務局長は国連大学(東京都渋谷区)で産経新聞と会見し、高病原性の鳥インフルエンザ(H5N1)の流行
が収まらない理由について、「最大の要因は渡り鳥ではなく、家禽の取引にある」と語り、“渡り鳥運び屋説”
に反論した。また、捕鯨問題などで同条約に加盟しない日本の立場に理解を示しつつも、「科学的な情報交換
が重要だ」とし、日本の早期加盟を求めた。一問一答は次の通り。
−−渡り鳥が鳥インフルエンザウイルスを世界に広げたのだろうか
「鳥インフルエンザ対策に貢献するため、国際機関などと協力して鳥インフルエンザの特別委員会を2005年
につくった。渡り鳥がウイルスの運び屋として非難の対象になっているが、委員会の調査研究などで分かった
ことは、この情報が正しいとはいえないということだ。
大陸から大陸への拡散の多くは実は家禽の取引が原因だった。有名なのは06年、アフリカ・ナイジェリア
で家禽に確認された例だ。当時、感染経路は欧州からの渡り鳥とされたが、実際はアジアから輸入した
(感染)鶏のひな鳥だった。エジプトでも同様に家禽に広がったのは中国からトルコなどを経由して輸入された
ひな鳥だった」
(中略)
−−渡り鳥についての考えを変える必要があるということか
(中略)
「渡り鳥が犯人にされがちなのは政治的な意味もあると思う。養鶏業はビッグビジネスで経済的に与える
影響も大きい。渡り鳥に無警戒でいいといっているのではない。野生の鳥に直接、接触することは勧められないし、
飛来状況を監視することも必要だ。科学的な調査、研究に基づいて冷静に行動する必要がある」
−−日本はCMSに加盟していないが
「捕鯨問題があるので日本の立場は理解できる。だが、一部の種について留保して加盟するという方法も
あり、鳥インフルエンザを含めた問題について情報を交換していくためにも、加盟を前向きに検討してほしい」
(抜粋です。全文はソース元でどうぞ)
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080211/erp0802110938001-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080211/erp0802110938001-n2.htm