神奈川県警前警備課長の吉田澄雄警視(52)=昨年12月20日付で警備部付=が関与していた有限会社
「神世界(しんせかい)」による霊感商法事件で、県警は7日、吉田警視を懲戒免職処分とした。神世界傘下の
サロンの経営を手伝って報酬を得るなど複数の地方公務員法違反があったと判断した。複数の違反を累積
した形での処分は極めて異例。現在と前の県警本部長を含む上司5人が監督責任などを問われ、国家公安
委員会や警察庁などの処分を受けた。
霊感商法事件の捜査は長期化が予想されることから、県警は捜査に先行して吉田警視の処分を決めた。
神世界傘下のサロンの会計業務を手伝い始めるなど、関与を深めた05年末以降の上司が監督責任を問
われた。
処分された県警本部長は、現在の田端智明本部長=長官訓戒▽前本部長の井上美昭・警察庁長官官房
審議官=長官訓戒。直属の上司だった警備部長と外事課長は、問題行動を見過ごした責任が重大だとして、
懲戒処分にあたる戒告とした。
調べでは、吉田警視は03年以降、神世界傘下の有限会社「E2(イー・スクエア)」が、東京都港区で「びびっと
とうきょう・青山サロン」を設立する際、事務所の名義人や連帯保証人になった。05年12月ごろからは会計の
手伝いを始め、総額約400万円の報酬を受け取ったとされる。
一連の行為について、県警は地公法の「営利企業への従事制限」や「信用失墜行為の禁止」「職務専念義務」
などに違反した、と判断した。記者会見した同県警の黒木慶英警務部長は「幹部がこのような団体の活動に
かかわっていたことは誠に遺憾で、痛恨の極み。問題点の検討を積み重ね、再発防止に取り組みたい」などと
陳謝した。
ソース
asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0207/TKY200802070110.html