★道路陥没死亡事故 賠償命じる
8年前、鹿児島県鹿屋市で戦時中の防空ごうの上を通る県道が大雨で陥没し、
転落した車の女性が死亡した事故で、鹿児島地方裁判所は、遺族の主張どおり
防空ごうを放置した国と県の責任を認め、およそ5600万円の賠償を命じる
判決を言い渡しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/2008/01/30/k20080129000116.html この事故は、平成12年、鹿児島県鹿屋市で、大雨で陥没した県道に軽トラックが
転落し、運転していた看護師の下名主美津子さん(当時44歳)が死亡したものです。
裁判で、遺族は「国と県は地下にあった戦時中の防空ごうを埋め戻すなどの
安全対策を取らなかった」と訴えたのに対し、県などは「ごうはすでに
埋まっていたと考えられ、道路の陥没を予測するのは難しかった」などと
反論してきました。
判決で、鹿児島地方裁判所の高野裕裁判長は「県は道路の下に防空ごうがあったのを
知っていたのに管理を怠った。近くにはかつて軍の施設があって、防空ごうの規模が大きく、
国が設計して掘削したと認められ、国も管理責任を負う」と指摘しました。
そして、防空ごうを放置した責任を認め、国と県にあわせておよそ5600万円の
支払いを命じました。
判決について、下名主さんの夫の新一さんは「亡くなった妻にも、
きょうの勝訴を報告したいと思います。二度とこのようなことが起きないように、
国や県には、道路整備にあたる際は十分な調査をしてほしい」と話しました。
また、原告側の山口政幸弁護士は「鹿屋市には今も防空ごうが多くあり、不安を感じて
過ごす人がいる。この判決をきっかけに防空ごうの埋め戻し作業が進んでほしい」と話しています。
一方、鹿児島県の道路建設課は「今後、判決の内容を確認し、対応を検討したい」という
コメントを発表しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/2008/01/30/d20080129000116.html