★J1札幌、道・市が10億円無担保融資…事実上回収不能
サッカーJリーグで、J1に昇格したコンサドーレ札幌の運営会社「北海道フットボールクラブ」
(本社・札幌市、HFC)が、北海道と札幌市から計10億円の融資を受けながら、過去10年間に
わたり元本返済を猶予され、年約1000万円の利払いだけの優遇措置を受けていたことが
19日わかった。
返済期限はいずれも今年3月末だが、HFCは債務超過に陥っており、事実上、回収不能。
融資は無担保で行われ、これまで具体的な返済計画はなかった。安易に公費を支出した道と
市の責任も問われそうだ。
道と市は1998年度、HFCに対し、スポーツ文化振興などを目的に、それぞれ5億円を融資。
使途の制限は設けず、金利は中小企業などが利用できる当時の道の公的制度融資の半分
程度の優遇利率が適用された。現在も年1・1%だ。融資期間はともに1年だったが、道は
2003年から5年とされ、これまで融資が更新されてきた。
HFCはこれまで道と市にそれぞれ年約500万円の利息を支払っていたが、元本は全く返済
していない。融資について、道や市は内部事業評価で「見直しが必要」などの指摘を受けていた
が、最終的には「チームの存続と安定的な運営に欠かせない」と、元本返済の猶予を容認して
きた。
HFCが道などに提示した資料によると、同社は昨年末時点で約27億円の累積債務を抱え、
約2億円の債務超過で、融資の返済に応じられない状況。HFCは債務超過を解消するため、
約25億5600万円の資本金の8割減資を行う予定だが、道と市は計3億円を出資しており、
減資になれば計2億4000万円の税金が失われる格好だ。
HFCは減資と同時に融資の優遇措置の延長も要請しているが、道と市は財政状況が苦しく、
交渉は難航。これまでHFCに多額の補助金も投じられた経緯から、道議会でも与野党から
批判の声が上がっている。道は「納税者の理解が得られない」として、減資と引き換えに経営
責任を明確にするよう求めている。(
>>2以降に続きます)
(2008年1月20日3時3分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080120i301.htm (
>>1つづき)
HFCの児玉芳明社長は「コンサドーレは道民の財産で、つぶしてしまえば大きなマイナス。
チーム存続がまず第一」としている。
HFCは96年に設立。昨年末現在の株主構成は、サポーターでつくる「持ち株会」が発行株式
総数の21・5%を占め筆頭株主。経営陣は、地元紙の北海道新聞社OBが社長、専務の主要
ポストを占める。