★女性のギャンブル依存症 専用リハビリ施設誕生
■男性の目を気にせず話ができる
生活に支障が出ても、一向にギャンブルをやめられない「ギャンブル依存症」。女性の
場合、世間の厳しい目を気にするあまり、治療へと足を踏み出せないケースも多いという。
そんな中、国内初という女性専用リハビリ施設が昨年誕生し、回復を手助けする活動を
始めている。
≪体験語り合う≫
横浜市保土ヶ谷区のマンション。昨年4月にオープンした「ヌジュミ」は、ギャンブル依存症に
苦しむ女性専用のリハビリ施設だ。現在は30〜50代の主婦ら2人が定期的に通っている。
プログラムの柱は、代表の田上啓子さん(58)を交えたミーティングだ。10畳ほどの
スペースに集まり、1日約1時間半、互いの体験を語り合う。仲間の話を聞くことで参加者は
次第に罪悪感を和らげ、ギャンブル依存が「病気」であることを認識していく。アルコール依存や
薬物依存から立ち直る過程を追った映画を見て、回復への希望を抱くプログラムもある。
実は田上さん自身、ギャンブル依存症に苦しんだ経験がある。夫婦関係がうまくいかず、
寂しさを紛らわすように、ポーカーゲーム機やパチンコ台に向かうようになったのは32歳のとき。
持ち金が底を突くと、台にすがりつき、手持ちの紙に1万円と書き殴り「続けさせろ」と店員に迫った。
「勝ち負けの問題ではなく『とにかくやりたい』という状態」。消費者金融などから借金を重ね、
注ぎ込んだ総額は約2000万円。症状を克服するまでに10年を要した。
情報提供の必要性を痛感した田上さんは平成13年、依存症者の体験談などを載せるサイト
「雨宿り」を開設。既存のリハビリ施設が男性限定だったことから女性専用施設をつくることに
したという。田上さんは「家庭の財布を握っていた主婦が、家のお金を使い切って離婚…という
例も多い。ギャンブル依存は『病気』で、治療すれば回復するということを伝えていきたい」と話す。
(
>>2-10につづく)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080115-00000933-san-soci