インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ対策特別措置法案は、11日午前の参院本会議で
民主、共産、社民各党などの反対多数で否決された。
同法案はただちに衆院に返付された。与党は同日午後の衆院本会議で憲法59条の規定に基づき、衆院議席の
3分の2以上の多数で再可決し、成立させる。参院で否決された法案の衆院再可決は、1951年の「モーターボート
競走法」以来、57年ぶり。政府は昨年11月1日のテロ対策特措法失効で中断した海自の給油活動を、2月中旬には
再開させる方針だ。
新テロ特措法案の衆院返付を受け、自民、公明の両与党は、衆院で同法案を採決するための動議を
衆院事務総長に提出した。衆院議院運営委員会は本会議で動議を議題とすることを与党の賛成多数で決めた。
11日午後に行われた衆院本会議では、動議を与党の賛成多数で可決した後、新テロ対策特別措置法案
再可決の採決を記名投票で行う予定だ。民主党など野党各党は本会議には出席した上で反対する。
新テロ特措法案は、テロ特措法にあった国会の事後承認規定を削除する一方、活動内容を給油・給水に絞った。
法律の期限は1年。政府は法案の成立後、すみやかに活動の基本方針などを明記した実施計画を作り、
閣議決定する。海上自衛隊の艦船がインド洋に向けて出航するのは今月下旬になる見通しだ。
石破防衛相は11日午後、海自派遣へ向けた準備命令を出す。
参院本会議での新テロ特措法案の採決は記名投票で行われた。また、民主党が対案として提出した
「国際的なテロリズムの防止及び根絶のためのアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法案」の採決も
記名投票で行われ、民主党、国民新党などの賛成多数で可決された。民主党の対案は衆院に送られ、
与党は衆院で継続審議とする方針だ。
(2008年1月11日13時22分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080111it03.htm