米テキサス州サンアントニオ(AP)
学校教育や裁判などで広く使われる知能検査の問題が、米ネットオークション・サイト「イーベイ」
に出品され、出版業者が「悪用の恐れ」を指摘している。
出品されたのは、当地のハーコート・アセスメント社が作成している「ウェクスラー式検査」の問題5種類で、
価格は約175−900ドル(約1万9800−10万1900円)。通常939ドル(約10万6300円)
で販売される成人用の最新版には、249・99ドル(約2万8000円)の値が付けられている。
同社によると、これらの問題を使った知能検査は、全米で年間平均100万回以上実施されている。
刑事事件の被告の鑑定や、児童・生徒に特殊な教育を受けさせるかどうかの判定が主な用途で、
問題は臨床心理学者などの専門家のみを対象に販売されてきた。「ネットオークションで問題を入手した
弁護士や保護者から、受検者が不正な指導を受ける恐れがある」と、同社は主張する。
これに対し、イーベイ側は「検査問題の販売に違法性はない」との見方を示す。同社の報道担当者によれば、
「たとえ一部の州であっても違法とされている商品や、教師用の教科書など公共性を考慮すべき品目は、
出品を認めないのがイーベイの方針。今回はそれらに該当しない」という。
ハーコート側は、心理学誌を通して専門家らにイーベイへの働き掛けを求めるなどして、反対運動を続ける構えだ。
一方、全米刑事弁護士協会の広報責任者、ジャック・キング氏は、「たとえ弁護士が検査問題を入手したとしても、
結果をごまかすことは難しい。鑑定では一般に多数の検査が何度も実施されるし、そもそも被告に検査の受け方
を指示することは弁護士の倫理に反する」と指摘している。
2007.12.24 Web posted at: 18:31 JST Updated - AP
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200712240021.html