テレビ世界最大手の韓国サムスン電子が、薄型テレビをはじめとする家電販売で
日本から撤退する方針を固めたことが8日、明らかになった。10月末までに小売店、
インターネット販売を停止し、今後は日本向け仕様の製造もやめる。日本市場は
国内大手を中心に競争が激しく、サムスンは収益が見込めないと判断、欧米などに
経営資源を集中するとみられる。
サムスンの日本法人「日本サムスン」は今夏までに小売店での販売を停止し、
ネット直販サイト「サムスンダイレクト」も10月末で閉鎖した。
ネット直販では15〜46型液晶テレビや携帯型音楽プレーヤー、DVDプレーヤーなどの
AV(音響・映像)機器を販売してきたがすべてやめ、パソコン用モニターの法人販売だけを残す。
修理などのアフターサービスは日本サムスンが継続し、「電子部品の販売を中心に、
法人顧客との関係を重視した事業をこれまで通り続ける」(広報担当者)という。
サムスン電子は1980年代に日本法人を設立し、洗濯機や冷蔵庫など
「白物家電」で市場に参入。2000(平成12)年ごろに白物の本格販売から
手を引いたものの、前後して薄型テレビなどのAV機器に注力した。
一時は大手量販店に専用コーナーを設け、多額の広告宣伝費を投じてブランド戦略も
展開した。だが、国内市場はソニーやシャープ、松下電器産業など世界シェア上位の
競合企業が多く、販売を続けても収益改善は難しいと判断した。今後は欧米に加え、
新興国などの成長市場での販売強化にカジを切るもようだ。
日本サムスンの約1兆円の売上高の大半は、法人向け半導体や液晶パネルで占められ、
消費者向け家電は「1%に満たない水準」(関係者)とみられ、
「(家電販売停止の)経営の影響はほとんどない」としている。
米調査会社ディスプレイサーチによると、サムスンは今年第2四半期の
テレビ販売額で世界首位だった。
*+*+ 産経ニュース 2007/11/09[01:32] +*+*
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071109/biz0711090132000-n1.htm