大卒研究職社員の資質「期待上回る」は1% 文科省調査 2007年10月27日12時33分
研究職として採用した大卒・大学院卒社員の資質が「期待を上回る」と答えた企業
はわずか1〜2%台――文部科学省の「民間企業の研究活動に関する調査」で、こん
な実態が明らかになった。「期待を下回る」は学士で約31%など、企業側は、基礎
教育の不十分さや、独創性の不足に頭を痛めている。
研究開発をしている資本金10億円以上の企業1791社を対象に今年2〜3月に
調査し、896社(50%)から有効回答を得た。
研究者の資質を学歴別に尋ねたところ、「期待を上回る」は、学士が1.0%、修
士課程修了者で1.4%、博士が2.6%、ポストドクター(任期付きの研究職など
に就いている博士)が2.2%にとどまった。
いずれも「ほぼ期待どおり」は60%前後。「期待を下回る」とした割合は、学
歴・年齢が高いほど低く、修士では約26%、博士約15%、ポスドク約8%だった。
期待を下回る理由は、学士では「基礎教育の内容・方法が不十分」が最も多く、修
士や博士は「企業ニーズに無関心など企業研究者としての自覚に欠ける」が最多だっ
た。ほかに「教科書や既成理論への偏重教育で独創性が育っていない」「隣接分野の
教育が不十分」を挙げた企業も多かった。(朝日)
http://www.asahi.com/science/update/1027/TKY200710270129.html