苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)による偽装牛ミンチ事件で、
道警生活環境課と苫小牧署は、田中稔・元社長(69)と元工場長ら3人の計4人について、
豚肉などを混入して「牛ミンチ」と偽って出荷した疑いが強まったとして、週内にも不正競争
防止法違反(虚偽表示)容疑で逮捕する方針を固めた。道警は田中元社長らが取引先を
だまして不正な利益を上げていたとみて、詐欺容疑でも追及する。
道警は問題が発覚した直後の6月下旬、ミート社工場や、同社から冷凍コロッケの原料として
牛ミンチを仕入れていた「北海道加ト吉」(赤平市)などを家宅捜索し製品を押収。DNA鑑定の
結果、豚や鶏肉の混入が裏付けられた。さらに押収資料の分析などから、悪質な偽装が長期に
わたって行われていたと判断した。田中元社長らは任意の事情聴取に対し、容疑を認めているという。
これまでの調べでは、ミート社は北海道加ト吉など取引業者十数社に対し、豚肉などを混入した
偽装牛ミンチを「牛100%」と表示して出荷した。農林水産省によると、偽装は98年ごろから始まった。
昨年7月から発覚までの販売量は計417トンに上り、販売・流通業者を通じてコロッケなどに加工、
全国に販売された。
田中元社長は記者会見などで「コストが安くなるので(工場長に)混入を指示した」と組織的に
偽装を繰り返していたことを認めた。ミート社はパートも含む全従業員71人を解雇し、7月に
総額約6億7000万円の負債を抱えて自己破産申請。田中元社長も8月に自己破産し、それぞれ
破産手続きが行われている。
記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071021-00000018-mai-soci