保守党の元農業大臣ジョン・ガマー氏が家族ぐるみで親しくしていたエリザベス・スミスさんが
ヒト狂牛病で先週亡くなった。彼女が21歳のときに新種の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病
(vCJD=ヒト狂牛病)に罹っていると分かってから2年余り。
彼女の父、元教区牧師のロジャー・スミス氏はガマー氏の友人だ。ガマー氏は1990年に
4歳になる自分の娘、コーデリアちゃんにハンバーガーを食べさせるパフォーマンスで、BSE
に対する国民の不安を取り除こうとした人物で、同じ教区民だった。
当時、ガマー氏はBSE(牛海綿状脳症)の心配が全くなくなったことを保証する旨、宣言した
のだ。「政府はあらゆる専門家から様々な意見を聞きました。そして、専門家たちの結論は、
牛肉が完全に安全であるということです」
大学生のエリザベスさんは05年3月にこの病気と診断されて学業を止めたが、その後まもなく、
つきっきりの看護が必要な状態になった。活発で聡明だった彼女は両親の家で23歳で亡くなっ
た。父親のスミス氏は「自宅に戻ってきた頃には彼女はツバを飲み込むのも苦労する状態で、
やがて全く何も飲み込むことが出来なくなりました。最後の2年半は彼女は胃チューブを装着し
ていました」と語った。
症状が最初に現れたのは04年8月だが、それがvCJDだと医師に告げられたのは、それから
7ヶ月後だった。
スミス氏は、娘の病気が汚染牛肉が原因であるのは「99.9パーセント間違いない」と言う。
しかし彼は、ガマー氏を非難することはなかった。ガマー氏がハンバーガーを食べて見せたこと
で牛肉に対する彼女たちの見方が変わったわけではないという理由だ。
「せめてもの慰めは、エリザベスの人生の最後の2年間は、殆ど意識がなかったということです。
vCJDで苦しむのを見る方がはるかに辛いことだと、医師たちも言います」。
スミスさんはvCJD発症による162番目の死亡例になる。(一部略)
元気な頃のエリザベス・スミスさん
http://img.dailymail.co.uk/i/pix/2007/10_02/elizabethsmith_228x387.jpg 英デイリー・メール:
http://www.dailymail.co.uk/pages/live/articles/health/healthmain.html?in_article_id=487074&in_page_id=1774