★ことなかれ主義の悪
・神戸で高校生が金品を要求されるなどのいじめを受けて自殺した事件があったが、
こういう報道の度に引っかかるのは、学校の対応だ。
よく、初めは「いじめは確認できなかった」と言い、後に「(アンケートや聞き取りなどの)
調査の結果、いじめがあったことがわかった」と発表される。事実を隠蔽する学校の
体質はどうしようもない。だが、それよりも、「調査の結果いじめがあったことがわかった」
という言葉の方が気になる。
なぜいじめられた生徒が自殺してから、調査をするのか。このような時勢なのだから、
普段から定期的に、いじめがあるのかないのか、少なくとも匿名のアンケートを取り続ける
必要があるだろう。
いじめはよくないと語るだけでは、その言葉は生徒には届かない。集団で個人に対して
危害を加えることの「醜さ」を伝える必要がある。集団によって「醜い悪」が形成される
過程の分析をし、加害者達に、自分達の醜さを映す「鏡」をまず提示する必要がある。
今、たとえばいじめをテーマにした小説などを、生徒に課題図書のように読ませている
学校がどれくらいあるだろうか。少なくとも、それくらいはするべきだろう。色々あるが
有名なものとして、山田詠美氏の『風葬の教室』や村上春樹氏の『沈黙』など、日本には
いい小説がたくさんある。
いじめは決してゼロにはならないが、日頃の調査や「文化」の利用など、やることは色々
ある。一番いけないのは、「ダメ教師がいる」などと、現場の教師だけに責任を押し付ける
ことだ。学校はいじめの発覚、それ自体を恐れてるのだろうが、ことなかれ主義が悲劇を
助長することに気づいた方がいい。(作家 中村文則)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/89211/ ※元ニュース
・【神戸・高3自殺】「警察には『遊びのつもりだった』といえば大丈夫」・・・検察は悪質と判断、「少年院送致が相当」との意見書★9
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1192019002/